苫小牧工高と苫小牧建設協会会員によるインターンシップが、27日から29日の日程で実施された。3回目となる今回は5社が受け入れ、生徒数は11人と初めて2桁台に上った。生徒に知見を広めてもらいたい学校側と、建設業の魅力や役割を知ってほしい建協側の思惑が合致する形で、取り組みの輪が広がっている。
学校で習得した知識・技術を実践的な環境でさらに深め、進路選択の参考にすることが狙い。土木科の3年生で、建設業に就職を希望する生徒を対象として毎年この時期に実施している。
ことしは北海土建工業、菱中建設、岩倉建設、山口工業所、盛興建設が協力した。
このうち北海土建工業は高崎和広さんと藤森健太さんを受け入れ、樽前山火山砂防苫小牧川遊砂地ほか、同覚生川2号砂防堰堤右岸ほか、日高自動車道日高町清畠北改良の3カ所で研修した。
覚生川の現場では、情報化施工の測量技術などを学んだほか、円柱状の砂防セルを見て工事のスケールの大きさに驚き、「土木技術を通じて社会に役立つ人間になりたい」と目を輝かせていた。
菱中建設では、阿部滉太さんと畑田将希さんが、厚幌ダム建設貯水池地滑り対策、同付け替え道路厚真川林道2号橋下部ほか、苫小牧港の第1船だまり物揚場建設、苫東の臨空柏原地区第1次土地造成ほか、石狩川改修東の里遊水地周囲堤の5カ所で知識を深めた。
貯水池地滑り対策では伐根量の計算、臨空柏原地区では沈下板のレベリングに挑戦。「凸凹した土の上でレベルを使ったのは初めて。実践的なことができ、とても勉強になる」とはつらつとした表情を見せていた。
苫小牧工高の藤田寛人土木科長は「近年、地元建設業者からの求人が増え、生徒側も建設業に入りたいという意識が強まっている。現場環境も随分と改善され、やりがいある仕事という認識が高まってきた」と話す。
回を重ねるごとに受け入れ企業が増えていることを踏まえ、「今後も建協会員などの協力を得ながら、最終的には希望する全員が受けられるようになれば」と期待している。