北海道新幹線、3月26日に開業へ-1日13往復を運行

2015年09月16日 19時20分

 道新幹線新青森―新函館北斗間を走る車両はH5系(10両編成、定員731人)とE5系。「はやぶさ」が新函館北斗―東京間で10往復、新函館北斗―仙台間で1往復、「はやて」が新函館北斗―盛岡間と新函館北斗―新青森間で各1往復となる。ダイヤなどの詳細は決まり次第、発表する。

 青森―札幌間をつなぐ道新幹線の基本計画は1972年に指定され、73年に延長360㌔が整備計画に昇格。88年には新幹線規格で建設した青函トンネルが供用を開始した。その後、05年に新青森―新函館北斗間149㌔に着工し、14年秋にレール締結を終えた。この間、新函館北斗―札幌間の工期5年短縮も決まっている。

 開業日の発表を受けて函館市では、庁舎正面玄関にある新幹線開業カウントボードを3月26日までの表示に変えた。工藤寿樹市長は「全国に魅力発信するとともに、本道の玄関口として多くの利用者を迎えたい」と述べ、開業イベントの開催など準備を加速させるとした。

 北斗市の高谷寿峰市長は、庁舎前に集まった市民を前に「旧大野町で誘致活動に取り組んできた先人の努力に報いるために、新幹線を中心としたまちづくりを進めたい」と述べた。

 道は、運行開始を告知する広告特集をJR札幌駅内で2000部配布。さっぽろテレビ塔(本社・札幌)は16日夕方、大通公園内に所有するテレビ塔のライトアップカラーを道新幹線車両H5系の色である緑、ラベンダー、白に変え、開業日の決定を祝うなど官民挙げて機運を高める取り組みを展開した。

 高橋はるみ知事は「JR北海道、経済界、市町村と一層強く連携しながら、北海道を挙げた盛り上がりの中で開業を迎えることができるよう、しっかりと取り組む」と強調した。秋元克広札幌市長は札幌までの早期開業に向けて、新函館北斗の成功が不可欠としている。

 道内経済界からも期待の声が挙がっている。北海道商工会議所連合会の高向厳会頭は「いよいよ新しい北海道時代の扉が開かれようとしている」、北海道経済連合会の大内全会長は「新幹線は東北・関東地域との交流機会拡大による地域経済に重要な役割を果たす」とコメント。札幌延伸が早期に実現するよう関係機関などに呼び掛けるとした。

 函館商工会議所では、開業に併せて11年から青森、弘前両商工会議所と、会員同士のビジネスマッチングや相互の観光ツアーを企画するなど、取り組みを進めてきた。

 新幹線駅周辺や函館市内では、ホテルの改装・新設、再開発の動きもあり、函館商工会議所新幹線函館開業対策室の担当者は「道南地域に新幹線があると国内に広まることで、観光だけでなく企業誘致の活性化にもつながる」と新幹線効果を強調する。

 ただ、この日の発表で新函館北斗―東京間が10往復であることが分かると、地元経済界からは「少ないのでは」といった声が漏れた。函館商工会議所などは当初から、毎時1本とJR北海道に要望してきた。

 東北地方の企業から道内進出の話が出ていることから、「経済波及効果をもたらすためにも、もう少し考えてほしい」(函館商工会議所)と主張。今後、関係機関と対策を協議する考えだ。

 その先の新函館北斗駅から札幌まで約211㌔間の整備は、トンネル工を中心に進んでいる。国土交通省鉄道局によると、16年度は用地確保が進んでいる箇所から土木工事を本格化させる方針だ。


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