北海道ロードメンテナンス(本社・札幌、大野末治社長)は、道新興業(同・北見、加納孝守社長)から土木・運輸部門の事業譲渡を受けた。土木部門は、グループ企業の北海ロード(本社・北見、後藤春夫社長)、運輸部門は同じく北海道ロード運輸(同、大野晃社長)が担う。道新興業は道や北見市から道路、河川、農業基盤設備などの公共工事を受注しており、事業譲渡により北海道ロードメンテナンスグループのオホーツク管内での事業分野が広がった。道新興業は、太陽光発電による電力小売り事業に特化する。
北海道ロードメンテナンスは道路維持や除雪、下水道管の清掃など、公共施設の維持管理を得意分野とする。2013年には北見市内の老舗舗装業者である北海鋪道(現北海ロード)を子会社化し、14年に同社道東支店と統合させ、オホーツク管内での経営基盤を強化した。
1962年創業の道新興業は、元請けとして公共工事を施工するほか、大手の下請けとしても活躍。電力の小売り自由化を見据え、13年に北見市内に1200㌔㍗のメガソーラー発電所を建設し、新電力事業者の名乗りを上げた。ことし4月1日からの電力小売り全面自由化に向け、太陽光発電事業に力点を移していた。
道新興業の完工高は、14年3月期で約5億7000万円。北海ロードは、15年12月期で約6億5000万円。事業譲渡により、大型重機17台、ダンプ25台、車両17台、優秀な技術スタッフも加わった。この中には、幅広のキャタピラーを持ち農地や軟弱地盤に対応できるパワーショベルなど、特定分野で強みを発揮できる機材、ノウハウが含まれている。
大野社長は「北見では高規格道路の整備が進められている。仕事が豊富なのに技術者が足りなかったが、優れた能力と豊富な経験を持つ技術者を確保できた」と譲渡を受けたメリットを説明。「よりよい待遇でスタッフのやる気を引き出し、業績の向上と地域経済発展につなげていきたい」と話している。
事業譲渡の手続きは15年12月末までに完了した。