道は19日、2016年度予算案を発表した。一般会計は2兆8246億5742万円で、前年度肉付け補正後比0.8%の増加。このうち投資的経費は3.1%増の3183億円に上った。美唄富良野線の仮称・東美唄トンネルや洞爺公園洞爺線の仮称・東湖畔トンネルの着工費を盛り込んでいる。農業農村整備などのTPP(環太平洋連携協定)関連対策には519億円を計上。11年ぶりの特別枠として北海道創生加速化事業枠を設け、北海道新幹線のプロモーション活動などに36億円を措置した。25日開会予定の第1回定例道議会に提出する。
特別会計は2%減の6283億8598万4000円。一般会計と合わせた総額は3兆4530億4340万4000円に上り、0.3%の増加となる。国の15年度補正予算を合わせた実質的な16年度執行分としては、一般会計が2兆9131億円に上る。
15年度補正を合わせた一般会計の実質的な16年度投資的経費は3860億円。前年度の肉付け補正後と14年度補正を合わせた実質的な15年度執行分との比較で、20.4%増になる。15年度補正が14年度補正を大きく上回ることが増加の要因。
主な建設事業としては、美唄富良野線の仮称・東美唄トンネル(延長657m)、洞爺公園洞爺線の仮称・東湖畔トンネル(463m)、八雲今金線の今金橋新設(273m)の着工費などを盛り込んだ。
このほか、道議会庁舎改築の基本・実施設計費7762万円を計上。市町村を通じた所有者への民間大規模建築物耐震改修事業費補助金は、15年度と同じ枠で4・6倍の5億6957万円、防災拠点建築物になるホテルなどへの新設枠で6億4790万2000円をそれぞれ措置した。
土砂災害警戒区域などの指定に必要となる基礎調査は19年度の完了を目指し、横ばいの15億500万円を充てた。
TPP対策としては、農業農村整備や漁港・漁場整備を進めるほか、農畜産物の輸出拡大に向けた共同利用施設の整備を支援する強い農業づくり事業、6次産業化などに予算を計上した。
北海道創生加速化事業枠は47事業で36億円を措置。北海道版CCRCの基本構想作成や本社機能・オフィス拠点の誘致、北海道新幹線の開業効果を全道に波及させるためのプロモーション活動などを展開する。
道は16年度予算を「北海道創生加速化予算」と位置付け、「連携(人・地域・政策)の『絆』で危機を克服する」と「未来への確かな『礎』をつくる」の2つを基本姿勢に据えて編成。「安心のまち・くらし『住まいる北海道』づくり」と「より良き未来への挑戦」を政策の柱としている。