7割が建設業への就職検討-建設系33校の学生・生徒にアンケート

2016年03月03日 19時31分

 大学や工業高校など建設系学科がある道内の学校で学ぶ学生・生徒の7割が、建設業界への就職を考えていることが、道建設部の調査で分かった。7割が現在の学校に進んだことを納得し、ものづくりの面白さを建設関係の仕事の魅力に挙げる学生・生徒が多かった。一方、建設業者と若年就業者への調査では、建設業界の人材が不足している要因として、ともにイメージの悪さを挙げる声が多数を占めた。多くの建設業者は、人材確保を経営の最重要課題と位置付けている。

 建設業若年労働者入職実態調査として外注で実施。学生・生徒は、建設系の学校や学科がある工業高校、高等専門学校、専門学校、大学、高等技術専門学院の計33校にアンケートを依頼し、7242人のうち2302人が答えた。

 現在の学校を選択した理由は「将来建設の仕事がしたかった」が最も多く、「学力に応じて」がこれに次いだ。71.3%が入学したことを納得している。

 建設業界への就職を考えているのは70.2%。学校別で見ると、専門学校88.3%、高等技専85.7%などとなっている。建設関係の仕事の魅力は「ものづくりは面白そう」「『自分がやった』という実感が持てる」の順で多く、目に見える形で仕事の結果を残せることに魅力を感じていることがうかがえる。

 子どもの進路選択で影響力を持つとされる保護者が、建設業界への就職に賛同するかどうかの質問では、89.4%が「賛成すると思う」と回答。建設業に就職する場合に企業を選ぶポイントとしては、安定した会社かどうかを重視するとの回答が圧倒的に多かった。

 学生・生徒のほか、道内に主な営業所を有する建設業許可業者から無作為抽出した1万4600社にアンケートを依頼。15.9%に当たる2315社から回答を得た。

 経営課題は「人材の確保が困難」が最大で、これに次ぐ「従業員の若返りが遅れている」も人材関連だ。人材不足の要因は「募集しても応募がない」「応募はあるが、適当な人材がいない」「既存従業員が高齢で退職者が増加」が目立った。

 建設業界が人材不足になる要因は「イメージが良くない」が最も多い。若者の人材確保・定着策として取り組んでいることは「時間や資金など資格取得の推奨・支援」「給与・手当などの向上」など。

 今後の若年労働者確保で重要と考える取り組みは「給与・賞与などの賃金向上」「若手の資格取得などスキルアップ支援」「給与以外の福利厚生面の拡充」の順に多かった。

 また、調査対象とした建設業許可業者で勤務する30代までの若年就業者にもアンケートを依頼し、839人が答えた。

 建設業への就職理由は「手に職をつけたかった」「机に向かうより体を動かしたい」「建築・土木は面白い仕事だと思った」が多数を占めた。現在の会社を選んだ理由は「地元で働ける」が最多の37.9%。77.1%が仕事にやりがいを感じている。

 建設業界の人材不足要因は、企業と同様に「業界のイメージが良くない」が最多で、企業で4番目だった「他業界に比べて休日が少ない」が2番目に多かった。

 若者の人材確保に向けた施策としては「給与・賞与などの賃金向上」「給与以外の福利厚生面の拡充」を望む声が多い。

 道建設部は、調査結果を建設管理課のホームページで公表している。これを踏まえて2016年度は、建設業団体などとさらなる連携を図り、若年者の入職促進に向けたPR活動に力を入れる。


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