半導体の組み立てなどを手掛けるジェイデバイス(横浜市神奈川区新浦島町1丁目1の32、仲谷善文社長)が、七飯町内にある函館工場の製造ラインを増設することが分かった。閉鎖が決まった宮城、会津両工場の業務を他工場に移管することに伴い、これまでの生産量の一部を函館工場で確保する。春ごろの着工を目指している。
同社は半導体業界の競争激化に対応するため、再編計画を1月に策定。宮城、会津両工場の機能では生産効率を高めることが難しいと判断し、国内の他工場に移管することにした。
函館工場では半導体、福岡工場ではリードフレームパッケージの組み立て、テストを手掛ける。函館に決めた理由として同社企画部は「立地というよりも機械の増設スペースがあり、今までの工場とラインの親和性があるため」と説明する。整備内容は固まっていないが、増産に伴いラインを増やすほか、クリーンルームの拡張などを検討している。
函館工場は、2013年に同業者のルネサス北日本セミコンダクタから譲り受けたもの。登記簿によると、敷地は約2万5000m²の広さ。事務所と工場を備えた施設はS造、地下1地上4階、延べ約1万m²、隣接するもう一つの工場はS造、2階、延べ約4200m²の規模となっている。
閉鎖する宮城、会津両工場の従業員計850人については「雇用を維持するため再編先への転勤となる」(同社企画部)と話す。
こうした状況に七飯町経済部は「町内で働く従業員が増えることは非常に喜ばしい。雇用増による町の人口増も期待できる」とし、今後の動向を注視している。