道が小規模企業振興条例を施行-経営強化など支援へ

2016年05月02日 19時09分

 道内企業の大半を占める小規模企業の経営体質強化や事業承継支援などを図るため、北海道小規模企業振興条例が4月に施行された。小規模企業は地域経済を支えているものの、経営者の高齢化や後継者不足といった問題が深刻化しており、条例の施行がこうした問題解決の糸口になることが期待される。

 道によると、道内の中小企業は約15万4000社で、全体の99.8%を占め、うち約13万3000社、86.6%が小規模企業だ。こうした企業は地域経済を支えているだけでなく、地域雇用の受け皿としての役割を果たす。

 しかし人口減少が進み、地域経済も減退する中、後継者不足や休廃業の増加など、小規模企業を取り巻く状況は深刻で、この3年間、町村部など地方を中心に1万社以上の企業がなくなった。

 そこで道は、〝小規模企業こそが地域を支えるプレイヤー〟と位置付け、小規模企業や地域の持続的発展を目指し、条例を制定した。

 条例で定義される小規模企業者は、常時使用する従業員の数が、製造業、建設業、運輸業その他の業種は20人以下、商業またはサービス業は5人以下の事業者。条例は、①経営体質の強化②事業承継の円滑化③創業などの促進―の3本柱で構成する。

 予定されている施策を見ると、経営体質の強化では、人材や資金など経営資源の乏しい企業を対象に中小企業診断士といった専門家を派遣した家庭教師型の従業員研修の実施や、地域の金融機関と連携した相談受け付けなどを実施。

 事業承継では、後継者を探している人と創業したい人のマッチングを行うほか、弁護士や税理士、中小企業診断士など事業承継の専門家とチームを組み、地域ごとに相談体制を確立する。

 道内経営者の5割以上が60歳を超え、帝国データバンクの調査では7割の企業で後継者が未定という実態が明らかになり、全国平均の約65%と比べても割合が高くなっている。

 後継者のいない企業では「黒字だが後継者がいないので事業をやめる」という企業も多く、道では今後ますます増える事業承継に早い段階から意識してもらうよう、勉強会やセミナーを通して啓発していく考えだ。

 創業などの促進では、創業意欲の高い女性や若者、アクティブシニアへの意識の啓発、創業するための計画づくりの支援、創業後のフォローアップなどステージに応じた支援体制を整えるほか、先輩経営者から成功、失敗体験を聞く場づくりを進めることにしている。

 また、この条例の特徴は、金融機関の役割を位置付けた点。これまでも資金供給などを進めている金融機関に、ハンズオン支援にも取り組んでもらい、より地域に密着した支援体制をつくってもらいたいとしている。

 道経済部中小企業課では、「条例ですぐに効果が出るわけではないが、条例を機会に休廃業の数が減り、新しく創業する企業が増えるなど徐々に効果が出てきたらいい」と話している。

 道の審議会で条例内容の検討に加わった北海道中小企業家同友会は「小規模企業の位置付けが明確になっていて、中小企業全体を応援する条例」と期待。中小企業の財産ともいえる人材については、「中小企業では依然として採用が課題で、どの企業も人材確保で困っている。小学生や中学生など早いうちから中小企業の存在の大切さや役割を学校や家庭で進めていくことが必要」と指摘している。


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