岩田地崎建設が24日発表した2016年3月期決算は売上高、利益ともに過去最高となり、3期連続の増収増益を達成した。道外大型事業が完工高、受注高の伸びを後押し。990億円と1000億円に迫った受注高も過去最高を更新した。
売上高は前期を20.7%上回る775億9800万円、経常利益は2倍の31億5800万円といずれも過去最高だった。売上高の大部分を占める完工高は19.7%増の762億7300万円で4年連続で増加した。
このうち土木は、道外大型事業の押し上げで34.1%増の372億円を確保。建築は好調な民間設備投資を背景に8%増の390億円となった。
圏域別では道内が54%を占める414億円、道外は42%の318億円、残りは海外で31億円だった。
受注高は土木520億円、建築470億円の合計990億円で、25%の伸びとなった。10億円以上の主な工事は、土木が横浜環状シールドトンネル、震災復興や除染といった共同体受注の道外大型案件。建築は道央郵便処理施設など道内物件のほか、ニッセイ浜松町PJなど再開発が旺盛な首都圏の物件だった。
利益は経常のほか営業利益で2・2倍の32億5400万円、純利益が40.7%増の18億4100万円といずれも過去最高。増益の要因について同社は「原価管理と不採算工事の選別受注を徹底した。改正品確法の恩恵も出ている」と話した。
今期は東京五輪の再開発に沸く首都圏の大型事業を継続して狙うほか、JR東海のリニア中央新幹線への参画を模索。道内は観光需要が強いニセコ、札幌市の再開発、海外はアフリカや東南アジアの政府開発援助関連で新規受注を目指す。