北海道アスファルト合材協会は若手人材の確保が難しさを増している合材工場の運営に、週休2日制を導入する検討を始めた。毎月第2土曜日を休みとして定着させ、連続休暇を確保しやすくする。2017年4月からの実施を目指し検討や準備を進める。同協会は「若者にとって週休2日は当たり前の時代。若手確保や従業員の待遇改善に向けた一歩になれば」と話している。
アス合材業界では従業員の高齢化が急速に進んでいる。協会が15年に会員に実施したアンケートでは、従業員の40%が50歳以上で占め、40歳未満は全体の7%にとどまった。
若手不足に危機感を強めた同協会は職員の待遇改善と人材確保がしやすい環境を構築しようと、2月に週休2日制の導入に向けたワーキンググループ(WG)を設置。NIPPO北海道支店の福岡修一舗装事業部副部長を座長に議論を進めてきた。
WGがまとめた素案は、週休2日の定着に向けて来年4月から、毎月第2土曜を合材工場の休日とし、連続休暇が取れるようにするというもの。自然災害時は除くが、全国団体の活動を参考にサイロ貯蔵の合材出荷、当番制の対応もせず業界の一斉閉所日にする。
工場は基本、舗装工事に合わせ合材を出荷するため、現場が休む毎週日曜日を除けば不定休になりがちだ。近年の合材出荷減少から合理化が進み、人材確保難も背景に人員は最小限のため、休日の交代勤務も難しい。
従業員の待遇改善では、繁忙期の夏季の休みを冬季に割り当てる変形労働時間制の採用や、賃金アップで残業代目当ての長時間労働を回避し、効率を高めようとする事業者もある。ただ、休暇取得面で抜本的な解決策にはなっておらず工場関係者からは「週休2日が当たり前の時代に、人材確保を難しくしている」との声が上がっている。
協会の実施する週休2日制の取り組みは促進運動のため強制力はないが、「業界全体で連続休日を取得しやすい環境づくりの機運が高まれば、需要側にも理解を得られやすくなる」(福岡副部長)と考えている。
しかし、建設工事の工程に影響する可能性もあるため、引き続き発注機関や合材購入者となる舗装会社の意見などを聞きながら実施に向けた課題点を探る。会員企業には週休2日制への理解を求めながら細部を詰め、年内の実施方針策定を目指す。
全国的には日本アスファルト合材協会が、計画的な連続休暇の取得活動を進めている。こうした動きは広島、千葉、東京、神奈川、埼玉に広がり土曜閉所の運動は着実に広がっている。
福岡副部長は「待遇改善は優秀な人材を道路関係業界に取り込んでいくきっかけになる」とし、北海道舗装事業協会や日本道路建設業協会北海道支部にも連携を呼び掛ける考えだ。