札幌開建は23日、WTO対象案件の新桂沢ダム堤体建設第1期工事を、鹿島・岩田地崎建設・伊藤組土建の特定共同体に決定した。落札額は102億円。国のダム事業としては初の同軸かさ上げ工事となる。総合評価方式の技術提案評価型AⅢ型を採用するのは北海道開発局では今回が初めて。
国土交通省は2016年度予算で、幾春別川総合開発に118億5290万円の4カ年国債を設定。第1期工事は16年8月24日―20年3月16日までで、16年度に4億1400万円、17―19年度に114億3890万円を支出する。第2期工事は第1期工事の落札者と随意契約を予定している。
1952年に道内初の多目的ダムとして誕生した桂沢ダムの堤体を11・9mかさ上げし、新桂沢ダムとする工事。コンクリートなど約25万m³を打設し、堤体積は約60万m³。かさ上げ後は堤高75・5m、堤頂長397mとなる。総貯水容量は1億4730万m³で、新たに工業用水と維持流量を供給する容量を確保し、治水・利水両面の機能を強化する。
技術提案評価A型は特に高度な技術力が問われる工事で適用するもの。AⅢ型は発注者の標準案に対して、部分的な設計変更を含む工事目的物に対する提案や、高度な施工技術などにより社会的便益の相当程度の向上を期待する場合に採用され、開発局では12年度から試行して初めてとなる。