国土交通省は、2017年度予算の概算要求で北海道開発事業費を約6200億円計上する方針を決めた。前年度より17%増額して要求する。農業農村整備や空港、治山、森林整備などの分野が重点化される見通しだ。
政府が2日に閣議了解した概算要求基準では、各省庁に公共事業などの裁量的経費を前年度より10%減らす一方、成長戦略などの施策に予算を重点化するため「新しい日本のための優先課題推進枠」の特別枠を設定。裁量的経費を10%減らした額から30%増まで要求できることにした。この結果、概算要求の最大17%増となり、国交省は開発事業費を上限いっぱいで要求する方針だ。
一般公共事業費に相当する開発事業費は(16年度5316億円より)17%増の6230億円程度、一般行政経費などを含めた開発予算全体(同5417億円)も同じく17%増の6330億円程度となる見通し。
農林水産業の生産基盤強化や競争力向上を目指し、農業農村整備や森林整備などの分野に予算を重点化する。このほか新千歳空港などで外国人観光客の受け入れ強化のための関連予算を積み増すため、空港の伸び率が高くなる見通し。
政府が20年度までに白老町に開設するアイヌ文化振興の拠点「民族共生象徴空間」の整備を加速させることから、国営公園の要求額も全体の伸び率よりも高くなるとみられる。