日本デザイン振興会が主催する「2016年度グッドデザイン賞」のベスト100が決まった。道内からは伊藤組土建(本社・札幌)とラスコジャパン(同・兵庫県三木市)が開発した簡易基礎「ジオコネクト」や、三五工務店(同・札幌)の企画住宅「sococo(そここ)」など建設関連を含めた8点が選ばれた。今回の応募総数は818社(前年度比91社減)で4085件(同427件増)だった。(写真は簡易基礎「ジオコネクト」)
道内から選出された製品・事業は簡易基礎、住宅、空港でのプロジェクト、クラウド型牛群管理システム、調味料、歴史的建築物を再生した貸店舗など8点。
伊藤組土建とラスコジャパンのジオコネクトは、地耐力のない軟弱地で太陽光パネルを設置するために開発した。既製プレメッキパイプ4本を使い、それぞれを一定の角度で地中に打ち込むガイドとし、パイプ相互を緊結する役目も果たす。基礎として押し込み・引き抜きとも強度を持ち、泥炭地などの軟弱地盤でも十分な強度が期待できるという。
特に引き抜きに対しては強度が高く、強風時も強度を発揮し、太陽光パネル架台や大型テントなどの仮設物基礎として使用できる。火災時の仮設テントなどに使用できるように製品の大型化も可能。ダクタイル鋳鉄を用いた鋳造製とすることで大量生産に対応し、亜鉛メッキで耐錆(たいせい)性、耐久性も確保した。屋外での保管物暴風対策にも活用できる。
三五工務店のsococoは、構造材や内装材に道産材をふんだんに取り入れながら、積雪寒冷地に適した「北海道の家」として、住宅の在り方を提案した。北海道らしさが感じられるデザインを採用したほか、道内各地域でのニーズに対応した上で、供給のしやすさにも配慮した、住まい手と作り手にとって価値の高い住宅とした。
このほか道内から選ばれた、函館空港ビルデング(本社・函館)の「函館空港ビルが行う地域発展に向けた取り組み 函と館」は、同社の若手・中堅社員が中心となって展開したプロジェクト。函館空港が旅行者の交通要衝として機能するだけでなく、旅行者と地域文化の出会い場になるように函館の街、人、特産品など多くの魅力を発信しようと企画した。函館らしい土産物を開発して土産物屋「函と館」をオープン。旅行ガイド本「函と館」の出版企業との協力や地元企業とのイベントなども事業展開している。
ベスト100では大賞候補としてヤンマー(本社・大阪)のトラクター「YT3シリーズ」。小田急電鉄(同・東京)とブルーススタジオ(同)の賃貸共同団地「ホシノタニ団地」、ノバルス(同)の乾電池関連製品「マビー」など6点が選出。10月28日に大賞(1点)が発表される。