17年度の道内生コン需要予測は8%減-札幌は民需好調で2%増

2017年04月11日 19時16分

 北海道生コンクリート工業組合がまとめた2017年度の道内生コンクリート需要予測は、16年度実績(346万2247m³)を8%下回る319万6000m³となった。前年度同様、道内全体の需要は低調となる見通しだが、昨年の台風・大雨で被害を受けた公共土木施設などの復旧工事発注による需要への反映が期待される。

 道内各地域の生コン協同組合の17年度需要見通しを集計し、16年度出荷実績と比較した。内訳は官公需が11.9%減の118万6000m³、民需が5%減の201万m³となった。

 最大需要地である札幌は2%増の116万m³とした。官公需は0.3%減の15万1000m³、民需は2.6%増の100万9000m³を見込む。前年度は4階建て中低層賃貸マンションやホテルの建設ラッシュが見られた。17年度は創生1・1・1区市街地再開発、石狩湾新港LNG基地建設といった大型継続事業に加え、訪日外国人対策のホテル需要などを見越し、前年度並みとした。

 旭川は7%増の12万m³で見込む。旭川医療センター外来管理診療棟や道営住宅であえーる宮下東団地C棟、比布中といった官庁大型物件向けが要因。上川生産農業協同組合連合会の事務所やロジェの仮称ロジェ北彩都21街区東棟など民間建築向けも多数控えている。

 ただ、前年度は人手不足などを理由とした着工遅れや入札不調も散見され、当初の見込みよりも2万m³ほど少なく推移した。その分が17年度に繰り越されるため、実質の出荷量は抑えられる見通しだ。

 苫小牧も7%増の13万3000m³。官公需では室蘭開建の港湾整備や日高自動車道などで例年並みの需要を予測。前年度落ち込んだ民間建築では、大型物流基地や工場の拡張、新設など回復の兆しが見込まれる。

 函館では3%減の16万1000m³。官公需は6万4000m³で、新外環状道路でトンネルや橋梁のある地区に入るため、16年度より需要が増えるとみる。新幹線関連工事では、新たに札幌延伸に向けたトンネル掘削が計画されているが、初弾工段階では大きな期待はできない。民需は16万1000m³となり、JR函館駅近くのホテル新築などの好材料に需要が見込まれる。

 十勝では前年度は帯広警察署新築や帯広第2地方合同庁舎の官公需で大型物件があったほか、民間でも帯広厚生病院移転新築や中札内村農協枝豆冷凍設備など活発な動きを見せ、例年より大きく伸びた。

 ことしの見通しは16%減の15万m³としたが、災害関連や、前年度同様TPP対策のJA物件でそれぞれ1万m³ほどを予想し、継続事業も合わせると前年度並みか、それ以上に期待できる見通し。一方、深刻な人手や車両不足から「発注は出るが、2万―3万は積み残しとなり、消化不良に終わるのでは」(十勝地方生コン協組)とみている。


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