企業の垣根越え大工職人の横断組織発足-100人余りが参加

2017年07月04日 07時23分

 道内の大工職人による横断的な組織「大工ネットワーク北海道」が1日、設立した。札幌市内で同日開かれた設立総会には、発起者の武部建設(本社・岩見沢)など8社の職人ら100人余りが参加。会員間で自主的に交流し、人脈の形成や技能の研さんにつなげていくことを確認した。記念講演では鵤(いかるが)工舎の小川三夫棟梁らが、持論の人材育成や木造建築について語った。

 大工ネットワーク北海道は、大工同士がさまざまな情報交換をできるよう、企業の垣根を越えた横断的な組織。職場環境の改善を促しながら、大工職人の社会的地位の向上を目指す。

 発起者には武部建設のほか、アシスト企画と北一タカハシ建設、三五工務店(いずれも本社・札幌)、キクザワ(本社・恵庭)、須藤建設(同・伊達)、辻野建設工業(同・当別)、丸三ホクシン建設(同・石狩)がなった。

 具体的には、大工を目指す若者への情報発信や若年層の育成などを目的とする。レクリエーションのほか、研修会や技能士資格取得に向けた研修会などを開き、互いの仲間意識を高めていく。

 自主的な活動をスローガンとするため、会則は特に設けない。情報伝達はSNSや各社のホームページから行い、定例行事は〝顔合わせ〟と称した、年1回程度の総会のみ掲げている。

 設立総会で、呼び掛け人を務めた武部建設の船田慎一棟梁は「会社の違う大工が交流する機会は今までなかったが、ベースとなるネットワークができたので、これから生かしていきたい」と話していた。

 総会後、建築構造家の増田一真氏と鵤工舎の小川棟梁を招き、記念講演会も実施した。

 うち小川棟梁は、21歳のときに入門した法隆寺最後の宮大工・西岡常一棟梁とのエピソードなどを紹介。室町以前に使われていた「槍鉋(やりがんな)」を実演し、名工の技を披露した。


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