東神楽町は、3つのゾーンを対象に実施する、ひがしかぐら森林公園リニューアルについて、2019年度からの本格着工を目指している。センターハウス建設などを計画するひだまりキャンプゾーンを施工した後、21―23年度に水辺の遊び場ゾーン、23―25年度に森の遊び場ゾーンを整備する構想。総事業費には23億円を試算している。本年度は実施設計を進め、17―18年度に樹木の伐採や小規模な小屋の解体など、着工に向けた準備に取り組む見通しだ。
森林公園は1978年にオープン。57㌶の敷地を有し、園内は6つのゾーンに分かれている。このうち、森の遊び場、水辺の遊び場、ひだまりキャンプという3つのゾーンでは、老朽箇所を修繕する必要性のほか、利便性向上の余地があるため、町は14年7月に検討委員会を発足させて整備概要をまとめた。
16年度に実施した基本設計は及川土木設計が担当。実施設計は7月12日に入札し、シン技術コンサルが2850万円で落札。業務期間は18年3月までを予定している。
皮切りとなるひだまりキャンプゾーンは園内南東側にあり、敷地面積は約5㌶。W造、平屋のセンターハウスを建設し、内部に売店やシャワールームを組み込むほか、雨の日や冬季も遊べる屋内の遊び場を設ける。高齢者や障害者も使いやすくするためにシャワーやトイレにはユニバーサルデザインを導入し、玄関などは段差をなくす。付近にはバーベキューハウスも整備し、雨天でも利用できるよう屋根を取り付ける。
既存のフリーキャンプサイトとオープンキャンプサイトでは、他のエリアからのアクセスを容易にするため、樹木の間伐や通路新設を実施。また、より気軽に楽しんでもらえるよう、公園管理者側でテントなどキャンプに必要な物を全て用意する手ぶらキャンプサイトを作る。
繁忙期を避けながら施工することから、工期は2年となる見通しで、工事費には2億円を見込んでいる。
町は、リニューアルによって16年度に約5万4000人だった利用者を7万3000人まで増やしたい考えで、山本進町長は「従来はキャンプといえば夏に家族連れで来ることが多かったが、近年ではオフシーズンの来場者や、シニア層の利用客も増えている。新たなニーズを掘り起こしたい」と話している。