上川管内のトドマツを専門に扱う企業で構成する上川地域水平連携協議会(山田彰会長)は、来年1月にも東京都内のショッピングセンターで、道産トドマツを使ったDIYキット「キッズブース」の展示と試験販売会を開く。木材の色合いと質感をアピールし、トドマツの利用促進を図っていく考えで、植杉雅幸専務理事は「東京の人にも道産トドマツ材の良さを感じてもらいたい」と意欲を見せている。
同協議会は2009年の発足以来、利用期を迎えた道産トドマツ材の魅力を伝える活動を展開。カラマツなどの広葉樹が使われてきた住宅の構造材や内装材、家具にトドマツを利用する取り組みを道立総合研究機構林産試験場の協力を得ながら進めており、植杉専務理事は「カラマツに比べ柔らかいことや、清潔感のある白色がトドマツの魅力」と話す。
昨年はコメリ苫小牧西店と美唄店で道産トドマツ材を販売したほか、モニターを引き受けてもらった都内の飲食店にトドマツ製テーブルを提供。評判は上々でこれらの活動が効を奏し、売り上げは堅調に推移しているという。
さらなる利用拡大に向け、8月8日に林産試験場でトドマツ製品利用拡大検討会を開催。製品の宣伝や販売方法について多様な視点から助言をもらうため、事業推進アドバイザーとしてハギヤ(本社・旭川)の萩谷洋介社長、オブザーバーとして旭川開建の東海林隆地域振興対策官、上川総合局林務課の赤沢大佐課長らが出席した。
検討会ではことし6月から取り組んでいるキッズブース製作について話し合った。小屋のような形状で、室内に設置し子どもの遊び場として活用することを想定しているが、DIYキット化により、子どもの成長に合わせて、さまざまな組み立て方が可能となる。林産試験場企業支援部の林幸範主任は「トドマツ材の特徴は子どもにも好まれると思う。幼いころから親しむことで、将来の消費者となる可能性も」と期待を寄せる。
キッズブースのサイズや値段などは未定だが、年度内に大手ホームセンターで販売する見込みだ。