熱中症に注意

2016年07月30日 09時20分

 ▼関東以南は連日厳しい暑さが続いているようで実にお気の毒である。全国の天気予報で35度などという最高気温を見るにつけ、北海道に生まれた幸せを感じないわけにはいかない。うなずく道産子も多いのでないか。「炎昼を来てたましひを置き忘れ」(出井一雨)。炎昼は夏の焼けるような昼のことだが、本道もきのうまでの激しい雨をやり過ごし、きょうあたりからいよいよ厳しい暑さが始まるらしい。

 ▼こうなると、本州に対する優越感はしばし引っ込め、本道も熱中症に備えねばならぬ。建設現場や屋外で働く人、高齢者、子ども―。暑さに影響を受けやすい環境や条件にある人は要注意である。湿度が高く、体が暑さに慣れていないここ1週間は特に用心した方がいいだろう。「日射病頂上見えて倒れけり」(森田峠)の句もある。「もう少しだから」「まだ頑張れる」といった無理は禁物。症状を自覚したときには既に、相当危険な状態になっているのが熱中症の恐ろしさである。

 ▼見落とされがちだが時間帯も重要らしい。午前は気温が急に上がるものの、体は変化に追い付けない。アクセル全開はエンジンが暖まってからが無難である。これも覚えておいて損はない。冷たい水をガブ飲みするのは爽快だが、逆に症状を悪化させることもあるそうだ。ただの水は体から塩分を流出させてしまうからだという。水分と塩分は同時に、小まめにとることである。そして適度に休むこと。「かき氷かんで砕いて腑に落す」(畑直子)。そんなひとときを設けるのもいい。


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