道内地場の中小電気工事業者が連携、ネットワークを発足

2018年04月21日 09時30分

 道内地場の中小電気工事業者が連携組織「北海道優良電気工事業者ネットワーク」を発足する。慢性的な人材不足に対し、地域や得意分野の異なる者同士が連携することで、受注ロスの回避や盤石な工事体制の確立を目指す。アダマック(本社・札幌)の斎藤秀明社長が代表発起人となり、5月に札幌市内で設立総会を開催。地域に根差しながら、協力して発展することを宣言する。

 略称はイーネット。今のところ12社が参加を予定している。函館や室蘭、帯広、北見、旭川、富良野など本社所在地はさまざまだ。

 地元を基盤とする中小電気工事業者が連携し、技術や営業、施工の協力体制を構築するのが設立の趣旨。東京五輪の関連整備や東北地方での復興事業など、業界が好況期にある今だからこそ、体制の下地づくりは意味があると考えている。

 活動内容は、繁忙期の工事協力や営業地域外での工事紹介などをイメージしている。年度末などの繁忙期に人手が足りない場合、イーネット間で協力し、人手不足が原因の受注ロスを回避する。

 自社の本拠地以外で工事依頼があった場合、他の加盟企業に仲介することで、中小の電気工事業1社では難しかった全道的な施工ネットワークを築く。電材などの共同購入も視野に入れている。

代表発起人を務めるアダマックの斎藤社長

 加盟企業は電気工事会社でも屋内配線から外線、弱電設備など得意分野はさまざま。地域によって仕事のピーク時期も多少異なるため、「人員の融通など協力しやすいはず」(斎藤社長)とみている。

 施主から優良業者としての信頼を得るため、加盟要件を設けている。一つは地場に根付いている証として、支店を設けず本社1カ所のみで営業していること。財務の健全性を示すために自己資本は2000万円以上、経営事項審査のY点は730点以上とした。技術者が3人以上いることなども求めている。

 設立総会は5月18日に札幌パークホテルで開催。初代会長を選出するほか、設立の目的や活動予定を確認する。取り組みに賛同し、加盟したいという企業を今後も募る。

 斎藤社長は「同業者の輪を広げて、各社が悩んでいる人手不足などの解消につなげることができれば」と話している。


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