ことし春の叙勲で黄綬褒章を受章した北海電気(本社・小樽)会長で、小樽地方電気工事協同組合理事長の花和嘉貴氏(71歳)。54年間電工一筋に打ち込み、業界の発展に尽力した功績がたたえられた。「(受章は)光栄の至り。組合運営に長く携わってきたことが評価されたと思うが、会社や社員の理解と協力のおかげ」と喜びをかみしめる。
花和氏は電気工事店を営む伯父の影響で、17歳でこの業界に入り「小さな仕事もきちんと丁寧に」を心掛け、信頼を築いてきた。
腕に磨きをかける20代、1971(昭和46)、72(昭和47)年と続けて全北海道技能競技大会(電工の部)に出場。72年大会では3位入賞を果たした。
大きな現場は社員に任せるが、小樽市から頼まれる公園や道路の街灯の電球交換、補修の維持作業には、今でも自ら足を運ぶという。「電工上がりなので、現場が一番。営業や経営は二の次になってしまう」と笑う。
小樽電気工事協同組合では、83(昭和58)年、36歳の若さで初代青年部長に推されると同時に理事に抜擢。以来18期連続で理事を務める。理事に成り立ての頃は、監事の人から『組合について勉強しろ』と言われ、渋々本を読んだり調べたりしていくうちに間違った運営をしてはいけないという気持ちが湧いてきたといい、「歴代の方々に育てていただいた」と振り返る。今でも『組合必携』に目を通し、チェックを怠らない。
小樽の組合は無記名投票による選挙で役員を選任する人物本位が古くからの習わし。監事が会計を中心に事業や運営まで厳しく監査し、本来の権限を強く押し出しているのも特徴。「すごく仲がいいけど、なあなあにはならない。けじめをつけ、それぞれの役割をしっかり果たす。素晴らしい組合だと思う」
人手不足が深刻化する中、小樽市の新卒高校生を対象にした企業説明会にも組合として参加。電気工事業の幅広さをアピールし、入職促進に力を注ぐ。(小樽)