若者の入職促進に向けて魅力ある産業となるよう「働き方改革」の動きが建設業界に広がりつつある。そんな中、北海道建設新聞社が帯広工高環境土木科を対象にアンケートを依頼した結果、現場の雰囲気や福利厚生などを含む職場環境を仕事選びの基準とする声が全体の6割を占めた。また、週休2日制が仕事選びに大きな影響を与えると答えた生徒は83.1%に上った。(帯広支社・太田 優駿記者)
アンケートは帯広工高環境土木科の1―3年生118人に実施。卒業後の仕事選びの基準となるものとして「職場環境」が全体の62.7%(74人)を占め、「給料」が20.3%(24人)、「休日」は13.6%(16人)と続いた。その他では「やりがい」「仕事内容」などが挙がった。
一方、週休2日制が仕事選びに大きな影響を与えているかという問いには各学年で7割以上の生徒が「はい」と答え、うち2年生では92.1%に達した。
休みの取り方については「平日でも休めるならば」という答えがある半面、「学校ではずっと土日休みだったから習慣化している」と週末の休みを望む声もあった。3年生の多治見貫太さんは「できれば週休2日はほしいが、きちんと休めるなら土日平日はこだわらない」と話す。
残業については手当がきちんと付くことを期待する声が多い。土木の技術者を目指す3年生の長崎健太さんは「手当が付いてくれたらいいが、結局は自分か誰かがやらなければならない仕事。ある程度の残業は仕方ないと思う」と考えている。
同科主任の岡本博教諭はアンケート結果について「就業場所や福利厚生など良い職場環境を望むのは昔も今も変わらない」と感じている。
その上で生徒が参考にしているのは実際に働く卒業生の声だという。同校では建設産業で働く卒業生と生徒が交流する場を設けている。「求人票やホームページだけでは分からない情報、職場の雰囲気や実際は休みがどれくらい取れるのかなどを聞き、進路選択の判断材料にしている。とりわけ同じ部活の先輩後輩だと影響力が大きく、卒業生が誰も就職してない所に飛び込むのは勇気がいる」と話す。
今の若者はお金よりも休みを優先するとよくいわれるが、真に求めているのは職場環境の充実。次代を担う若者にとって本当に魅力ある建設業にしていくには週休2日制の確立はもちろんのこと、社員が楽しく働ける風通しの良い職場づくりを進めることも必要という実態が浮かび上がる。