建設業の楽しさ伝える
第33回北海道建青会全道大会が24日に開かれる。テーマは「FUN TO CONSTRUCTION」。次世代を担う若者に建設業は楽しいということを伝えたいと語る玉川裕一会長に記念事業の内容や狙い、主管する札幌建青会の活動状況などについて聞いた。(建設・行政部 小林 一則記者)
―大会テーマのコンセプトは。
まずは、建設業を楽しもうということ。私たち働いている人が楽しまなくては、新しく入ってくる人も魅力を感じないだろう。大変だけれども汗をかいて、一生懸命、物を造っている方が魅力的だ。それと、FUNのUをAに変えればFANとなる。建設業を応援してくれる、サッカーのサポーターみたいな人をたくさんつくろうという意味も含む。コンセプトはこの2つで、表記はFUNとした。
―記念事業の内容と狙いは。
パネルディスカッションを行う。コーディネーターは北大大学院の今日出人特任教授で、パネリストにミス日本水の天使を務める浦底里沙さん、プロサッカー選手の伊藤壇さん、北海道建設新聞社社長の荒木正芳さん、北海道建設業協会副会長の栗田悟さんを迎え、私も参加して建設業を取り巻く環境について議論する。
浦底さんには、先日来道してもらい望月寒川の放水路トンネル現場を見てもらった。初めて見る放水路トンネルは非常に魅力的だったということと、それ以上に働いている人が、すごく生き生きしていたと話していた。そして使命を持って働いている人の姿は非常に美しく、格好良く見えたと言っていただいた。また、ICTや最新の測量技術も見学してもらった。当日は、浦底さんによる現場見学の様子を放映しながら、魅力ある業種、女性でも男性でも関係なく仕事ができる、その人の能力を十分に生かせる職場など感じたことを発信してもらう。
伊藤さんは、アジアを中心に、さまざまな国に行ってプロ契約している選手。日本人サッカー選手として契約したことがない各国とコネクティングを持つことで、将来、子どもたちが、この国でサッカーがしたいと思ったとき、俺が紹介できる、窓口になれると、夢ある子どもたちをサポートしたいということで行動している。
私たち建設業は日給制が残っている職種なので短期間雇用するといった協力ができると思う。夢ある子どもたちを就職支援という形で応援することができるのが建設業ということも発信したい。
さらに、今特任教授は防災のエキスパート。われわれの存在意義は、災害時対応にあるといっても過言ではない。その地域に建設業がなければ経済活動の復旧にも支障が出る。防災時に力が発揮できる体制を取りながらも地域経済の中核をなしているというのが、われわれの存在価値。そこをあらためて強調したい。
―札幌建青会としての活動や人材確保といった課題への対応は。
会として親子見学会などを実施している。また、道内の女性技術者らで構成する建設どさん娘(こ)の会という団体があり、建青会の会員の多くが団体のサポート会員として登録している。子どもたちや、その親に建設業を理解してもらい、入職につなげる活動を展開しているほか、女性技術者のPR活動にも協力している。社会科見学や課外授業で、最先端の安全を確保しながら現場をやっていることを見せるのも良いPRになると考えている。
いずれにしろ、今大会では社会基盤整備も人材育成も、決して2、3年後ではなく、40年、50年という長いスパンで考えるきっかけにもしたい。