稚内、浜頓別、幌延をバイオマス産業都市に選定 農水省

2018年11月20日 15時00分

 稚内、浜頓別、幌延の3市町が、2018年度のバイオマス産業都市として農林水産省から選定された。宗谷管内では初めての認定となる。各自治体では家畜ふん尿などを活用したバイオガスプラント建設を構想しており、今後計画実現に向けた協議などを本格化させ、地域経済活性化や雇用創出につなげる考えだ。3市町の経済波及効果は合計で約18億円を見込んでいる。

 バイオマス産業都市は、木質、食品廃棄物、下水汚泥、家畜排せつ物など地域のバイオマス原料生産から収集・運搬、製造・利用までの経済性が確保された一貫システムを構築し、地域のバイオマスを活用した産業創出と地域循環型エネルギーの強化を図るもの。地域特色を生かしたバイオマス産業を軸に、環境に優しく災害に強いまちづくりを目指す。

 稚内市では、家畜ふん尿と水産加工残さを活用したバイオガスプラントを増幌、勇知地区に整備するほか、下水汚泥を燃料化して市内公共施設等のペレットストーブで活用することを計画。市が主体となり推進協議会を設置し、進ちょく管理や民間事業者との各種調整を担う。経済波及効果は5億7200万円、新規雇用創出は47人に上る見込みだ。

 浜頓別町は、集中型と個別型のバイオガスプラント整備を構想。集中型は、家畜ふん尿と乳製品加工汚泥、水産加工残さを原料とし、今後設立を予定する株式会社の仮称・浜頓別町バイオガスが事業実施者として事業を進める。これに合わせ、酪農家の家畜ふん尿処理負担軽減を目指して個別型バイオガスプラント整備にも取り組む。経済波及効果は9億3500万円、新規雇用創出は直接効果で62人と試算している。

 幌延町は、家畜ふん尿を活用した資源循環型バイオガスプラント整備を計画。地域状況に応じた規模のプラントを設け、酪農家の災害時の停電リスク軽減を図る。このほか、せん定枝などの木質バイオマスと使用済み紙おむつによる混合燃料の製造も進める考え。経済波及効果は2億9400万円、新規雇用創出は18人とみている。


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