おかしな天気ですね―。本道では最近、そんな言葉が時候のあいさつ代わりになっているようだ。雪がなくなったと思ったら翌朝は再びの銀世界。春の陽気に浮かれていたら次の日は氷点下。寒暖を繰り返して春に近付いていくのは例年のことだがことしはその反復が妙に長く大きく感じる
▼2月にほとんど雪が消える異例の事態に、調子を狂わされたのかもしれない。このおかしな天気も地球温暖化の影響だろうか。札幌管区気象台が25日、北海道地方の「地球温暖化予測情報」を公表した。気候変動に関する政府間パネル(IPCC)報告の温室効果ガス排出シナリオに基づき、21世紀末(2076年以降)の気候を予測したものである
▼それを見るといずれも年間で平均気温がプラス5度、降水量がプラス120㍉、降雪量がマイナス38cmになるそうだ。随分と大きく変わるものである。日降水量100㍉以上の大雨も、現在の2年に1度からほぼ毎年発生へと悪化するらしい。日本全土、状況は同じだろう。総額101兆円。当初予算としては初めて大台に乗る19年度一般会計予算が27日成立した。注目すべき点は幾つかあるが、前年度比15.6%増の6兆9099億円と大幅に伸びた公共事業費もその一つ。「防災・減災、国土強靱(きょうじん)化のための3か年緊急対策」が厚く盛り込まれたのだ
▼温暖化の勢いは止まらない。対策は一層重要となってこよう。「あと1カ月でも早くこの堤防が完成していれば」。被災現場でよく出る話である。年度内に成立したのは良かった。救われる命がある。