苫小牧地域職業訓練センター[MAP↗]運営協会が実施している若者人材育成事業で、建設業への就職を希望する研修生7人が訓練に励んでいる。小型クレーンや玉掛け、アーク溶接など11種類の資格取得を目指した講習と、大工など基本実技実習に取り組む。9月からは市内の企業で業務研修を受ける予定だ。
苫小牧市から委託された同事業は、2019年度で5年目。建設業への若年入職希望者を発掘し、建設職種の基本的な実技技能研修や作業現場見学などを通して、業界への理解を深めてもらう。就労意欲が旺盛な若者を建設関連企業に送り出し、職場定着を図ることが目的だ。
事業開始時は建設業と介護業の2コースで構成し、15年度は計8人、16年度は計9人が参加。その後、建設業コースのみとなり、17年度は9人、18年度は7人が研修を受けた。
19年度は20歳から38歳までの男女7人が、6月3日―20年1月31日の日程で受講している。
7月上旬に実施された小型クレーン講習では、クレーンにつられた荷物の横揺れ、縦揺れの効果的な抑え方などを熱心に学んでいた。
最年少の荒井拓哉さん(20)は「体力、体を使う仕事だと思った」と話し、「日本文化が好きなので、取得した資格を生かして興味を持っている造園業に進みたい」と抱負を語る。
研修生で女性は1人。工藤安珠さん(26)は「高校は建築科に所属していた。基礎がさびないうちにもう一度やってみたい」と参加した。将来は「鉄骨とびになりたい」と真摯に学んでいる。
同運営協会は「この事業により、研修生はスキルアップし、事前に見学した上で就職先を決めることができる。企業にとっては資格を取得した実践的な人材を確保でき、お互いにメリットがある」と話す。
課題となっている雇用のミスマッチ防止につながり、早期離職者が少ないという。(苫小牧)