セキュリティー業のMFPがユニホーム事業に参入

2019年11月10日 09時00分

企業イメージ向上へ一役

 マンション大規模修繕の現場や商業施設の駐車場などでセキュリティー業務を担うMFP(本社・札幌)が、建設会社向けにユニホーム販売を始めた。企業イメージに合わせたカラーリングやロゴのユニホームを提案し、会社のイメージアップや社員の意識向上につなげてもらう考え。アパレル業界出身の目黒辰郎社長は「ユニホームのデザインを通し、社会になくてはならない建設業の魅力を一層発信したい」と話している。

 10月に新会社「株式会社M DESIGN」を設立。CCD(コーポレート・コスチューム・デザイン)戦略と銘打ち、従来にない強い発信力の持ったユニホームを提案する。

 MFPは2002年創業のセキュリティー会社。「満足心を売る」をテーマとしたニッチ戦略を掲げ、セキュリティーとサービスの融合をモットーとする。一般的な警備の仕事に接客サービスを付加した業務姿勢から、業界でも異色な存在として注目を集めている。

大きなロゴのバックプリントが特徴のMFPユニホーム

 特徴的なのはスタッフのユニホーム。黒色のブルゾンとストレートパンツ、キャップを身にまとい、背中には大きなMFPのロゴを記す。その地味すぎず派手すぎない安心感を与えるいでたちから、高貴なブライダル施設やマンションモデルルームで業務に当たっても雰囲気を壊すことはない。

 人材教育にも力を注ぐ。商業施設の駐車場で交通誘導する際は来店客だけでなく、そばを通る歩行者に対しても「こんにちは」「ご苦労様です」と、あいさつを欠かさない。

 こうした業務姿勢は全て、目黒社長の経験がベースとなっている。首都圏の大学で経済を学んだ後、日本初のデザイン専門学校とされる桑沢デザイン研究所に入学。教壇には岡本太郎や横尾忠則など気鋭のデザイナーが立ったこともあり、「さまざまな刺激を受けることができた」(目黒社長)という。

「ユニホームは強力な企業宣伝になる」と目黒社長

 卒業後はアパレルメーカーのワールドに入社。ある日、百貨店の担当者から〝デパートは駐車場も売り場の一つ〟と教えられ、顧客のもてなし方を考えさせられたという。ここでの学びが基本となり、警備と接客を融合したビジネススタイルが編み出される。

 その後はアパレル会社やビルメンテナンス会社での勤務を経て、1999年に独立。「もともとファッションが好きだったので、スタッフのユニホームも作業服ではなく、コスチュームと考えた」と説く。

 ユニホーム事業の新会社では、依頼先の企業と対話しながら、まずユニホームの基本色となるコーポレートカラーを策定する。その後、各ユニホームメーカーの製品から、企業イメージなどを反映した上着とズボンのコーディネート案を2―3パターン提示。最適なものを依頼主に絞り込んでもらう流れだ。

 背中のロゴは訴求力が高いため「できるだけ付けてもらうよう勧めている」という。デザインは目黒社長が考えたオリジナルなものを顧客に提案する。

 スタッフがマンション大規模修繕の現場を交通誘導していたとき、下校途中の小学生から「MFPだ」と声を掛けられているのを目撃した。目黒社長は「思わずガッツポーズした。小学生にもMFPという会社を知ってもらえ、ユニホームと大きなロゴの宣伝力を実感できた」と振り返る。

 「コーディネート案を提示する段階までは無料なので、求人強化や自社PRを考えている中小の建設会社は、ぜひ相談してほしい」と話している。


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