平和不動産(東京都中央区日本橋兜町1の10、土本清幸社長)が、札幌市中央区大通西4丁目1にある北海道銀行本店が入る道銀ビルディングと、西側に隣接する新大通ビルディングの一体的な再開発を検討していることが、分かった。2023年度までの事業化を目指している。既に、道銀とは本店機能の方向性などを協議しているほか、新大通ビルを共同保有する北洋銀行とも、持ち分の取得について交渉しているようだ。実現すれば札幌駅前通と大通の四隅に面する大規模ビルとしては、最後の再開発となる。
同社がこのほど策定した20-23年度中期経営計画の再開発事業案件に、札幌エリアでは地権者として参画する札幌駅南口北4西3地区と、道銀ビルの2つを盛り込んだ。新大通ビルは現在、北洋銀と共同保有のため対象となっていないが、平和不動産担当者は「正式には決まってないが可能性はある」と説明。持ち分の取得が決まれば、道銀ビルとの一体開発を視野に入れる。
札幌における4年間での投資額は約100億円を想定する。この中に既存施設の解体費や、北洋銀からの新大通ビル持ち分取得の費用などを含んでいるもようだ。
新施設の用途としては、オフィスやホテル、商業など複数の案から検討する。事業着手は今後4年以内を目標に掲げていて、新施設の着工については23年度以降となる見通しだ。
新型コロナウイルス感染症の影響について同社担当者は「オフィスビルをメインに運営しているので、今のところ経営に問題はない。新幹線札幌開業に向け着々と計画を進めていければ」と話している。
道銀ビルは1964年に竣工し、SRC造、地下3地上12階、延べ約2万8793m²の規模。西側の新大通ビルはSRC造、地下2地上10階、延べ1万7319m²で1979年に完成した。
(北海道建設新聞2020年05月12日付1面より)