夏の夜空を彩るペルセウス座流星群がそろそろ活動期に入る。今週金曜日の17日から来月24日頃までが観測に適した期間らしい。明るさや数が増し最も見やすくなるのは8月12日の午後10時。夕涼みも兼ねて、子や孫と一緒に夜空を見上げてみるのも一興である
▼多田智満子さんの詩「星の戯れ」の一節を思い出す。「一瞬間たのしむために 一時間首を痛くする 流れ星は気まぐれだ 人は待つことに慣らされる」。流れ星は静かに飛びながら一瞬の輝きを放つ。控えめで目立たないがゆえに、観測者は忍耐を強いられるのである。ところがまれに派手な登場の仕方で人々の度肝を抜くものもある。2日未明に関東地方で多くの人が目撃した火球がそれだ。衝撃波のごう音が響いたため、皆何事かと夜空を見上げたという
▼程なく正体は隕石と判明。あれだけ大きな火球だと破片が残っている可能性もあると指摘されていたが、本当に見つかったそうだ。千葉県習志野市のマンション敷地内に転がっていたという。住民が火球出現の当日、外で何かが落ちたような音を聞き、探してみたのだとか。どこまでも存在感を主張してくる流れ星である。破片は二つでそれぞれ直径5cm程度。重さは63㌘と70㌘だったそうだ。「習志野隕石」と命名されるらしい
▼さてこうなると、心配する人がいるかもしれない。「あれだけたくさんの星が流れているペルセウス座流星群がもし落ちてきたら…」。流星群は小さな星くずの集まり。大気圏で全て燃え尽きてしまう。首が痛くなるまで眺めていても落ちてくることはない。