コロナの影響少ない建設業 一方生徒らは就職先の減少を警戒し進学希望に
空知建設業協会(砂子邦弘会長)は、空知管内の高校・短大の計19校を訪ねて、建設業をPRするとともに、管内建設業への就職志望状況などを確認した。会員のうち約50社が約120人の新規採用を希望しているものの、就職志望は7―8人と大きく低迷。これらの状況を踏まえ、同建協では今後若年層の入職促進に向けた取り組みをさらに強化。インターンシップの受け入れ、学習や体験、若手技術職員との意見交換を通じて建設業の魅力を発信する「学校キャラバン」の実施などを積極的に展開する考えだ。
同協会は2018年から空知管内の高校や短大の訪問を開始。2年目の19年は管内の高校のうち、職業系学科があり、同協会とインターンシップなどで関わりのある岩見沢農高、新十津川農高、滝川工高、滝川西高、奈井江商高、美唄尚栄高の6校を訪問。進路指導担当者に建設業をPRし、管内建設業への就職志望者が約40人いることを確認した。
ことしは9月14、16、17、18日の4日間で空知管内の高校17校と短大2校の計19校を訪問。各進路指導担当者と面談し、インターンシップや学校キャラバンの実施について説明した。
高校生の就職については、新型コロナウイルス感染拡大の影響で例年より1カ月遅れのスケジュールになっており、7月1日から各社が求人募集。学校側は5日から各社に応募し、16日から各社の採用試験が始まる予定だ。
進路指導担当者との面談では、管内建設業への就職第一志望者が19校中7―8人の1桁台に低迷。訪問した大崎里志事務局長は「サービス業や観光業に比べ、新型コロナウイルスの影響が少ないことから、建設業への就職希望が高まると予測していた。しかし、実際には少子化のほか、新型コロナの影響で就職先の減少を警戒した生徒らが進学希望に転じたことなどを背景に、管内の建設業志望者は大きく減っており、大変驚いている」と危機感を募らせる。
学校訪問によって、インターンシップや学校キャラバンに興味を示してくれた学校が複数あったほか、短大では授業の1、2コマを建設業のPRに活用できそうな手応えをつかんでいる。大崎事務局長は進路指導担当者との面談を通じ「建設業の3Kのイメージは払拭(ふっしょく)されており、先生たちもこうした訪問で建設業について再認識することが多い。今後も積極的に学校訪問して、知恵を絞りながら建設業の魅力を伝え入職促進を図りたい」と話している。(岩見沢)