夕張市は、まちづくりマスタープランの見直しと立地適正化計画を策定し、コンパクトなまちづくりに向け、将来都市構造案を検討中だ。都市機能誘導の拠点・地区は清水沢、若菜、紅葉山を位置付けている。12月に原案をまとめ、パブリックコメントを募る予定だ。
市の将来都市構造案は、①地区によって20年後の人口減少割合が大きく異なる②土砂災害警戒区域内に住宅・公共施設が立地③居住の選択肢を増やすことが人口減少の抑制に影響④将来的な地域コミュニティの維持に不安⑤地域資源を生かした夕張の魅力・付加価値の創出―の5項目をポイントに検討を進めている。
拠点・地区は、都市機能誘導とする清水沢、若菜、紅葉山のほか、人口減で新規居住抑制か住み替えを促進する地域再編地区に本庁、南部、真谷地、楓、登川とし、産業を支える生産空間の維持と豊かな緑の保全の生産地区に沼ノ沢、富野、滝ノ上を設定している。
将来都市構造案は、9月下旬に開催した策定委員会や市民会議で協議。人口が残る地区で必要な取り組みとして、公園整備や市役所の拠点地区への移転、道の駅の機能充実、光回線の全市設置、高齢者向けバリアフリー住宅の充実など、人口減少が著しい地区の必要な取り組みとして、自然を生かした観光スポットの設置、農業をテーマにした観光振興、空き地空き家のマッチングなどの取り組みの意見が出ている。
計画は10月実施の地区懇談会の意見などを踏まえ、方針や誘導区域、誘導施設を検討。11―12月に原案作成を進める。
(北海道建設新聞2020年11月5日付8面より)