三井不動産と日本郵便は30日、8月1日に竣工する札幌三井JPビルディングの報道機関向け内覧会を開いた。1850m²を誇る無柱大空間のオフィスフロアや常時有人で管理する防災センターなど施設の特徴をアピールした。
札幌駅前通沿いの札幌市中央区北2条西4丁目1で、2012年4月から工事を進めていた。規模はS一部RC・SRC造、地下3地上20階、延べ6万8192m²。施工は鹿島、設計は日本設計と鹿島が担当した。
札幌駅前通地下歩行空間と約50mにわたり接続する地下1階から4階までが商業エリアで、6-19階がオフィススペース、最上階は機械室となる。5階には道庁赤れんが庁舎などを見渡せる眺望ギャラリーを設ける。
回遊性や利便性を高めるため、建物内に貫通通路を設け、早朝から深夜まで自由通行を可能としたほか、地下3階には、北海道熱供給公社の地域冷暖房(DHC)設備を導入し、環境面にも配慮した。
入居企業の事業継続計画(BCP)をバックアップする高機能オフィスビルで、民間の賃貸高層オフィスビルでは札幌初となる、非常用発電機で電気を72時間供給できる体制を構築。従業者、来館者の安全安心を考え、防災センターや備蓄倉庫を地下1階に配置した。
同ビル内の商業施設「赤れんがテラス」には物販・食物販4、飲食20、サービス3の計27店舗が出店し、8月28日に開業を迎える。
報道発表で三井不動産の清水弘之北海道支店長は「時を経るごとに一層良くなっていく『経年優化』のまちづくりを、札幌の地で取り組んでいきたい」と意気込みを述べた。
(北海道建設新聞2014年07月31日付2面より)