道が21年度内に整備 居住性調査
道は、導入を検討している木造応急仮設住宅について、2021年度内に清水町で実証モデル住宅を整備する予定だ。木造による応急仮設住宅の施工期間と手順を確認し、音や寒さなどの居住性を2年間調査。調査後は断熱強化や間取り変更を施した上で、恒久的使用の可能性を検証する。これら調査と並行して、実際に建築を担う地域工務店の状況から生産・供給体制についても検討していく考えだ。
実証モデルは恒久的な使用を想定して、清水町の町有地に整備する。
調査、研究は道立総合研究機構建築研究本部と連携して実施。想定工期内での施工可否や施工手順を確認するほか、完成後は住環境調査を行う。2年間の調査終了後は外壁の断熱強化や、2戸の住宅を1戸にする間取り変更によって居住スペースを広げ、恒久的な住宅としての住環境調査や耐久性などを検証する計画だ。
道では恒久的に使用する場合、建設後は容易に改修が難しい基礎部分を最初からRC造にすることや、基礎や天井の断熱を強化することを見込んでいる。それ以外の部分は大幅な工期延長やコスト増を抑えるため、一般的な応急仮設住宅と同じ仕様にする方向で検討している。
開会中の第3回定例道議会で鈴木直道知事は応急仮設住宅に関して、木造であれば地元工務店が施工できるため、災害時の迅速な供給と地域経済復興につながるほか、仮設住宅として使用後の恒久的利用についてもメリットを強調し、従来のプレハブと併せて導入する考えを示した。
さらに1日の予算特別委員会では、今後の取り組みに関する桧垣尚子氏(自民党・道民会議)からの質問に建設部の長浜光弘建築企画監や住宅局担当者が回答。実証モデルでの調査と並行して、全国木造建設事業協会ともに各地域における生産・供給体制を速やかに確立すると説明した。具体的には、災害時に対応できる地域工務店の数を考慮して、全道を道央、道南、道北・オホーツク、道東の4ブロックに分けた体制整備と、各ブロックで必要戸数を供給できない場合の隣接ブロックからの支援を検討していく。
(北海道建設新聞2021年10月4日付1面より)