札幌開建は22日、岩盤崩落で17日から通行止めしている276号千歳市美笛の現場を報道機関に公開した。法面が高さ50m、幅25mにわたって崩落。流出量は2000立方㍍と推察した。上部に不安定な岩塊(高さ8m、幅12m、奥行き3m)が残っていて、これを含む岩塊群の除去に向けた詳細調査と工法選定に時間を要するため、応急復旧の着工時期は未定としている。
同開建の近藤勝俊次長によると、3月15日に美笛峠で雪崩と岩盤崩落が同時に発生。当時は雪で被災状況が不明瞭だった点や、道路脇のポケット部に岩塊が収まっていたことから、融雪後に詳しく調査することとし、片側交互通行としていた。
今月17日、現場付近にいた交通誘導員が法面の崩壊音を聞き、同開建に通報。翌18日から19日にかけてドローンなどで目視調査した結果、新たに上部の岩塊が崩れているのを発見した。近藤次長は「付近は安定した溶結凝灰岩のため、凍上による自然崩壊の可能性が高い」と説明した。
現在、防災点検業務を受注するドーコンが詳細調査を進めているほか、岩田地崎建設と緊急随契し、遠隔操作できる無人バックホーで今後の調査に向けた準備工に取り組んでいる。
通行止め解除には、被災箇所全体に点在する不安定な岩塊を除去しなければならないが、「二次災害を避けるため、慎重な工法選定が求められる」(近藤次長)とし、応急復旧の着工時期、通行止めの解除について「現時点で具体的な時期は言えない」とした。
恒久対策の方針についても、今後の詳細調査を踏まえて検討する方針だ。