土木Bと舗装Aで、工事6件を試行
札幌市財政局は新たなくじ引き対策として、2022年度から試行導入する市況連動型失格判断基準の対象工事を決定した。土木B等級と舗装A等級が各3件で、今月中旬から6月下旬にかけて公告。総合評価や成績重視型を除く一般競争で多くの入札参加が見込まれる案件に適用し、効果を検証する。
市が発注する工事の一部工種で多発するくじ引きを減らすのが目的。市独自の取り組みで、適正な利益が確保された積算と健全な価格での競争、入札価格の底上げを図る。
市況連動型の失格判断基準は、入札価格の平均値から調査基準価格を算出し、調査基準価格と入札参加者数などから設定する。入札結果を基に統計的手法を使うことで相場価格として妥当な範囲を推定。ダンピング価格での入札は相場を下回る入札として失格となる。
これまでは、国の基準を上回る水準の最低制限価格を設定することでダンピング防止を図ってきた。しかし、最低制限価格は所定の率を乗じて機械的に算定できるため、事業者の積算努力が入札に反映されにくいという課題がある。
22年度の試行結果を検証し、23年度以降の対象拡大も検討する方針だ。
22年度の対象工事と公告時期は次の通り。
◇土木B▽東苗穂15条3丁目2号線生活道路整備=5月中旬▽南沢6条2丁目1号線生活道路整備=6月中旬▽月寒公民館北1号線(美園月寒裏通線―月寒5丁目4号線間)生活道路整備=6月下旬
◇舗装A▽北発寒第11号線(北発寒第22号線―道道下手稲札幌線)舗装路面改良=5月中旬▽藤野1号線(国道230号―藤野30号線間)舗装路面改良=6月中旬▽福住中央線(国道36号―月寒福住線間)舗装路面改良=6月下旬