夕食を食べようとまだ行ったことのない飲食店に入り、何を頼もうかとメニューをにらむ。品数が豊富でどれもおいしそうだ。これにしようか、でもあちらにも引かれる。なかなか決められない。うれしくも悩ましいひとときである。さてそんなときはどうするか
▼壁などに掲示されている「当店のおすすめ」をまず注文してみる人が多いのでないか。その店の味がどれほどのものか、確かめるには最適の選択だろう。食事に限らない。最近は映画や音楽もメディアでよく「おすすめ」が紹介される。英語の「レコメンド」という言葉が使われるが、おおよその目安を知るには大いに役立つ。ところでこのレコメンドを巡って今、騒動が持ち上がっている
▼北海道日本ハムファイターズが来春開業する新球場「エスコンフィールド北海道」の件である。完成間近のこの段階になって、ホームベースからバックネットフェンスまでの距離が「公認野球規則」に定められた18・288mより3mほど短いと分かったのだ。さあ大変。公式試合に使えないと大騒ぎ。ただ、よく聞くと規則は米大リーグから持ち込んだもの。距離はレコメンド(勧める)だったのに日本で「必要」と訳してしまったらしい。本家は目安でしかない
▼とはいえルールを見落としたのは日ハム側の過失。日本野球機構はオフ後に改修する条件で来季の使用を認めたそうだ。ファンとしてはもやもやが残る。ビデオ判定を求めるリクエスト制度だって昔はなかった。安全面で問題はなく、ファンも喜ぶならルールの方を見直すことがあっていい。