600t級6基で15億円程度
留萌市は、留萌港南岸地区に新設を計画している小麦の集出荷施設について、2023年度は基本設計に着手する。1基当たりの容量が600tのサイロを6基新設する計画。既存の小麦倉庫は留萌、上川、北空知地区で生産した小麦を収容し道外に移送しているが、計量や船積み方法が非効率なため、抜本的な改善を図る。総事業費は15億円程度をみている。
既存の小麦倉庫は、留萌港南岸地区の明元町2丁目14の2に位置する。1966年の建設で、RC造、4階、延べ3246m²の規模。91年から小麦を扱っている。
留萌、上川、北空知地区で生産している小麦の主な品種は、きたほなみ、ゆめちから、春よ恋など。3地区の年間生産規模は合わせて約6万5000t。このうち約4万tは他港から道外に移送し、約1万tは道内向けに陸送している。現在の倉庫で扱える量は1万5000tほどにとどまる。
小麦は1t詰めのパックに入った状態で倉庫に運ばれるが、計量時には中身を全て出し、詰め直す。船に積む際はパックをフォークリフトで運ぶなど非効率な作業環境となっている。
小麦集出荷施設の新設で市は現状の課題を大幅に改善する方針だ。トラックリフトによる小麦の荷受けや計量、ベルトコンベヤーによる船積みが可能な規模や仕組みに改良する。
市は基本設計の発注に向け、サイロの構造や処理能力の精査などを農業協同組合やホクレンなどと協議している。実施設計や着工の時期は、基本設計の成果品が仕上がった後に決める考えだ。