北海道開発局や道建設部、鉄道・運輸機構北海道新幹線建設局などが2015年度に発注するWTO政府調達協定対象の土木工事がまとまった。合計は前年度より8件少ない16件。トンネルは、鉄道・運輸機構道新幹線建設局が札幌延伸区間で7件、開発局と道建設部で1件ずつの計9件を予定し、全体の半分を占めている。
各機関の発注見通し(工事情報)などからWTO対象の土木工事を集計した。工事規模は開発局が6億円以上、道と札幌市、鉄道・運輸機構道新幹線建設局が20億2000万円以上となる。
鉄道・運輸機構道新幹線建設局は15年度、新函館北斗―札幌間で渡島トンネルと二ッ森トンネルに着工する。初弾工事発注済みの野田追、立岩、後志の各トンネルの新工区と合わせて7件を発注する計画だ。同局のトンネル工事は前年度の3件から大幅に増える。
開発局は、函館開建が229号新美谷トンネルの掘削に着手。7月の公告を予定している。札幌開建は千歳川遊水地の整備に伴う排水門や樋門の改築と新設を3件発注する。このほか、275号新石狩大橋P9橋脚、4月に中山組が落札した国営かん排恵庭北島地区の北島排水機場建設と合わせて5件となっている。
道建設部は、小樽建管が泊共和線で計画する3本のトンネルのうち、仮称・国富2号トンネルを下半期(10―3月)に予定。これに伴い道は15年度、限度額45億1000万円となる3カ年の債務負担行為を設定した。
札幌市水道局は、豊平川導水路3工区の発注を計画している。豊平川上流から白川浄水場付近まで約10㌔のバイパス導水路を整備するうち、14年度の1、2工区に続き、15年度は最上流部の3工区を発注。11月中旬の開札を予定している。
15年度は道新幹線札幌延伸区間で大型土木工事が増加するが、この傾向は今後も続くとみられる。