JR北海道は14日、昨年9月に発生した台風の高波で追加被災したJR日高線豊郷―清畠間、厚賀―大狩部間の2カ所の復旧工事費に総額約8億円が必要になるとの算定結果を発表した。今後、この結果を3者検討会に報告し、昨年1月の同線被災箇所の復旧工事費30億円を含めた財源負担の在り方、事業手法の検討を進めるとしている。
豊郷―清畠間58㌔925m付近は対策延長350mで、工事費約6億円を見込む。既存鋼矢板式護岸の一部倒壊などから、海側に護岸壁を新設し、消波ブロックを設ける。流出した盛り土の復旧を行い、高波被害を食い止めるため、法面に籠マットを設置する。
これらの対策に加え、同社では豊郷―清畠間について、海岸浸食対策として離岸堤の構築が必要になると考えており、島田修社長は「行政に離岸堤設置の検討を求めていく」との認識を示した。
厚賀―大狩部間67㌔975m付近では、路盤流出や排水設備の破損、護岸壁倒壊の被害を受けたため、工事費約2億円を充て、延長70mにわたり、護岸壁新設や消波ブロック設置、流出した盛り土の復旧、法面の籠マット設置を進める。
14日の定例会見で島田社長は、昨年12月に初会合が開かれた日高線沿線自治体協議会に触れ、「地元との合意形成が図られないと、復旧には着手できないと考えている。鉄道維持やどういう仕組みにすべきかを話し合いながら、できるだけ早く結論を出したい」と話した。