北ガスの中期5カ年計画、設備投資は568億円-導管網や電源整備

2016年04月13日 19時23分

 北海道ガスは13日、2016―20年度の5カ年を対象とする中期経営計画を発表した。設備投資はガス導管や電源整備などを中心に568億円を見込む。事業計画では20年度目標として、ガス販売6億7000万m³、LNG販売10万㌧、電力契約14万件の達成を掲げている。

 今後5カ年で、ガス、電力、ホームエネルギーマネジメントシステム(HEMS)を柱とした総合エネルギーサービス事業の展開に向け、基盤整備を促進させる。

 ガス販売量は当初7億m³の計画だったが、20年度の到達は難しいと判断し、6億7000万m³に下方修正した。札幌市を中心にガス導管網の整備・拡充、燃料転換を進め増加を図る。また、未整備エリアに導管を延ばして契約者を増やすことで、セット割となる電力販売にもつなげる考えだ。

 このほか、家庭用コージェネレーション(マイホーム発電)の普及も進める。15年度の見通しでは累計2000台で、シェアは新築15%、既築6%を占めている。これを20年度までに9000台まで拡充させ、シェアを新築50%、既築20%に伸ばす考えだ。

 電力事業では、18年10月の運転開始を目指し、ことし10月に石狩LNG基地内のガス発電所建設に着工。12月稼働予定の苫小牧木質バイオマス発電所などを合わせることで、卸取引市場に頼らない100%自社運用による電源構成を目指す。

 16―20年度までの設備投資の内訳は、ことし秋の完成に向け工事が進む石狩LNG基地2号タンク関連が27億円、ガス導管整備・拡充、経年管対策に343億円、ガス発電所など自前電源整備に198億円となる。

 ガス導管整備に関しては、30年度までに100億円超を投資し、地下鉄駅やJR、市電電停周辺に約330㌔敷設する計画。マンション建設が活発化している札幌市円山など需要の高い同社の営業エリアを対象に整備を進めており、普及率80%の目標を掲げている。

 同日、札幌市内のホテルで開いた記者会見で大槻博社長は、12日時点の低圧電力販売契約数が約1万9500件だったと説明。「来週にも2万件に達する」と明かした。

 17年から始まるガス小売り全面自由化については「家庭用よりも業務用で競争はすぐに起こり得るだろう。コスト安で原料を調達し低価格を進めるとともに営業力も強化していく」との認識を示した。


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