ガス田生かし地産地消型電熱供給-苫小牧市が石油資源開発と共同で調査

2016年11月14日 19時08分

 苫小牧市と石油資源開発(本社・東京)は、共同で地産地消型エネルギーネットワークの可能性調査に取り掛かった。同社が市内で採掘している天然ガスを用い、エリア単位で電気、熱を供給できる体制を構築できないかを探るもの。今回の調査は2016年度単年度で進め、採算性や導入に当たっての課題などを整理する。

 東日本大震災以降、電力供給のもろさが顕在化。市内には国内最大級の天然ガス田があり、ガスから電力と熱を生み出すコージェネレーションも技術的に確立されていることから、これらの活用による低廉なエネルギー供給を通じて企業の生産活動安定化を図るため、調査に取り組むことにした。業務はパシフィックコンサルタンツに委託している。

 この調査では、既存の天然ガスパイプラインが通っている真砂町の食品・飼料団地をモデル地域とし、ガスの供給可能量や需要量、事業の採算性、課題などを探る。ある程度のロードマップも示される見通し。

 4日には市と同社のほか、苫小牧高専、苫小牧信用金庫、苫小牧ガス、苫小牧商工会議所、苫小牧港開発による検討委員会を発足し、そこでの意見を調査に反映させる体制も整えた。

 市の地域新エネルギービジョンでは、天然ガスはコージェネや燃料電池を用いることで、公共施設や商業施設、住宅への電熱供給など高度利用の可能性が高いと指摘。エネルギーを段階ごとに、複数利用する「仮称・エネルギーカスケード利用産業団地構想」の必要性も挙げている。

 所管する市の企業立地推進室では「この調査は、カスケード利用団地の実現に向けた取り組みの一つでもある」と話していることから、今後の展開が注目される。


関連キーワード: 企業

ヘッドライン

ヘッドライン一覧 全て読むRSS

e-kensinプラス入会のご案内
  • 日本仮設
  • オノデラ
  • web企画

お知らせ

閲覧数ランキング(直近1ヶ月)

おとなの養生訓 第245回 「乳糖不耐症」 原因を...
2023年01月11日 (1,630)
函館―青森間、車で2時間半 津軽海峡トンネル構想
2021年01月13日 (1,458)
おとなの養生訓 第43回「食事と入浴」 「風呂」が...
2014年04月11日 (1,108)
おとなの養生訓 第170回「昼間のお酒」 酔いやす...
2019年10月25日 (974)
おとなの養生訓 第109回「うろ」 ホタテの〝肝臓...
2017年03月24日 (717)

連載・特集

英語ページスタート

construct-hokkaido

連載 おとなの養生訓

おとなの養生訓
第258回「体温上昇と発熱」。病気による発熱と熱中症のうつ熱の見分けは困難。医師の判断を仰ぎましょう。

連載 本間純子
いつもの暮らし便

本間純子 いつもの暮らし便
第34回「1日2470個のご飯粒」。食品ロスについて考えてみましょう。

連載 行政書士
池田玲菜の見た世界

行政書士池田玲菜の見た世界
第32回「読解力と認知特性」。特性に合った方法で伝えれば、コミュニケーション環境が飛躍的に向上するかもしれません。