北洋銀行が14日発表した道内景気動向に関する調査結果によると、全産業の景気の現状を表すDIは、前年同期の調査時から23ポイント上昇しプラス6となった。DIのプラスは2年ぶり。昨年発生した台風被害の復旧工事などに伴う公共事業の増加や、訪日外国人需要で観光が好調なことが主な要因となっている。
道内の取引先702社に5月中旬から6月中旬にかけて調査し、60%に当たる421社から回答を得た。
調査を担当した北海道二十一世紀総合研究所は「台風の復旧工事が非常に出ており、建設を中心に押し上げられている。加えて、インバウンドの入り込みが相変わらず増えている」と道内の景気動向を分析する。一方、ホテル・旅館業に関しては人材不足により人件費が上昇し、経営者からは、どこまで引き上がるのか懸念する声が聞かれるという。
道内景気の現状を尋ねたところ、全体の18%が「回復している」とし、「悪化している」12%を上回り、前年同期と逆転した。残りの70%は「横ばい状態」とした。回復時期については「2017年中」が40%、「18年中」が19%、「19年1月以降」が37%となり、ことしに期待する声が多かった。
業種別DIは、製造業が前年同期比16ポイント改善のマイナス1、非製造業も25ポイント改善のプラス8となった。
製造業は、公共事業の増加などにより鉄鋼・金属製品・機械が前年同期を22ポイント上回るプラス14となり、全業種で唯一DIがプラスとなった。木材・木製品も5ポイント改善のマイナス19となっている。
非製造業は、建設が好調を保ち、30ポイント改善しプラス13。卸売も34ポイント増のプラス8、小売は23ポイント増の0とそれぞれ大幅に上昇している。観光関連のホテル・旅館も札幌だけでなく地方も好調なため、25ポイント増のプラス19と回復傾向にある。
先行きへの懸念材料は、個人消費、国内景気、原材料価格、公共投資、雇用の動向、原油価格の順に多い。中でも個人消費は、3期連続で比率が最も高かった国内景気を抜き、動向を注視する声が多かった。
建設業は公共投資、国内景気、雇用の動向、原油価格の順となっている。