国立アイヌ民族博物館 来週早々にも主体公告

2017年09月12日 10時00分
国立アイヌ民族博物館の完成イメージ(基本設計段階)

博物館の完成イメージ図(基本設計段階)

 北海道開発局営繕部は、アイヌ文化振興の拠点「民族共生象徴空間」で新築する国立アイヌ民族博物館の発注準備を進めている。10―12月を入札予定時期とするWTO対象の建築主体は、早ければ来週早々にも公告するとみられる。

 

 博物館は、アイヌ文化振興の拠点「民族共生象徴空間」の中核施設として、白老町若草町のポロト湖畔に整備するもの。文化庁が整備管理者となり、支出委任を受ける北海道開発局が発注業務を担う。

 基本設計段階での建物規模はSRC造、3階、延べ約8600m²。2階に展示室や収蔵庫を配置し、1階に映像や音声でアイヌ文化の概要を紹介するシアターやエントランス、カフェ、調査・研究スペースなどを置く。3階は機械室。主要スペースを2階に配置したことから、2階部分が湖に張り出す形となっている。

 展示スペースは基本展示室、テーマ展示室、特別展示室が横に並ぶ。テーマ展示室と特別展示室は可動壁で仕切れるようになっており、展示内容に合わせ、両スペースを一体的に使用することも可能にしている。

 また、建物の湖畔側には屋外テラスやガラス張り眺望スペースを設け、自然環境との調和を図っている。建物東側の一角にはピロティ形式による、収蔵庫増築スペースを用意している。

 現在、建物は久米設計、展示は丹青社で実施設計を進めている。

 2018年度予算の概算要求では、国立アイヌ民族博物館や国立民族共生公園の整備費などに72億円余りを要求。このうち博物館の整備と運営準備には文化庁として17年度予算の3・2倍となる42億7000万円を求めている。

 主体は外構や昇降機設備を含む。主体告示後は追って電気と機械(WTO)も告示する予定で、両工事とも18年1―3月の入札を予定している。

 工事は17―19年度で進め、20年4月の開館を予定。年間来場者数100万人を目指す。

 民族共生象徴空間の整備については、8月23日に現地視察を訪れた石井啓一国交相が、「アイヌの歴史・文化に関して国民の理解を促進する重要な役割を果たすと感じた」と発言。20年4月の公開に向けて着実に整備する考えを示している。


関連キーワード: 国交省 建築

ヘッドライン

ヘッドライン一覧 全て読むRSS

e-kensinプラス入会のご案内
  • オノデラ
  • 北海道水替事業協同組合
  • 東宏

お知らせ

閲覧数ランキング(直近1ヶ月)

おとなの養生訓 第245回 「乳糖不耐症」 原因を...
2023年01月11日 (1,394)
函館―青森間、車で2時間半 津軽海峡トンネル構想
2021年01月13日 (1,283)
おとなの養生訓 第43回「食事と入浴」 「風呂」が...
2014年04月11日 (1,257)
アルファコート、北見駅前にホテル新築 「JRイン」...
2024年04月16日 (1,101)
藻岩高敷地に新設校 27年春開校へ
2022年02月21日 (919)

連載・特集

英語ページスタート

construct-hokkaido

連載 おとなの養生訓

おとなの養生訓
第258回「体温上昇と発熱」。病気による発熱と熱中症のうつ熱の見分けは困難。医師の判断を仰ぎましょう。

連載 本間純子
いつもの暮らし便

本間純子 いつもの暮らし便
第34回「1日2470個のご飯粒」。食品ロスについて考えてみましょう。

連載 行政書士
池田玲菜の見た世界

行政書士池田玲菜の見た世界
第32回「読解力と認知特性」。特性に合った方法で伝えれば、コミュニケーション環境が飛躍的に向上するかもしれません。