札幌市水道局は、中高層建築物の2016年度直結直圧・加圧給水方式導入実績をまとめた。新設への導入と既存施設での切り替えの合計は661棟に上り、1992年の直結給水開始以来で過去最多を記録した。
市内の中高層建築物では、受水槽を経由しない直結給水が一部地域を除いて可能。5階程度までは直圧方式、10階程度まではブースターポンプによる加圧方式が採用されている。
16年度の導入実績の合計は、前年度比14.6%増となる661棟。92年度の直圧方式、97年度の加圧方式開始以降で最多だった06年の606棟を大きく上回った。
内訳を見ると、新設への導入が13.0%増の573棟、既設の切り替えが25.7%増の88棟。さらに細かく見ると、新設の直圧方式は16.7%増の503棟、既設の直圧方式は14.8%増の31棟、既設の加圧方式は32.6%増の57棟と好調だが、新設の加圧方式は70棟で7.9%減少している。
同局では、4―5階程度の共同住宅着工数の伸びが、全体の増加につながっていると分析。建設コストや維持管理費の削減を図るため、直結給水の選択が増えたとみる。
また、時代背景として施設の大規模改修なども増加していることから、これに合わせた切り替えも増えている。
17年度は、公務員宿舎などのリニューアルに当たり、建設当時は受水槽からの給水だったが、改修に合わせて直結給水へ切り替える事例が散見されているという。