女性技術者はいま (上)変わりゆく建設現場

2015年10月06日 10時42分

 砂子組で女性技術者の採用が本格的になってきたのは昨年から。現在は土木と建築で合わせて8人の技術者が働いている。増えていく女性技術者に対応するため、会社としても女性が働きやすい環境づくりに努めている。

砂子組と一二三北路で働く女性技術者たち

 そのうちの一つが女性寮の設置だ。本社のある奈井江町に設置された女性寮は、男性の独身寮を昨年改修したもので、3人の女性が住んでいる。

 ここに住む、昨年入社した土木部の山本寛子さん(23歳)は、寮の快適さを実感している。寮は8畳ほどの個室で、クーラーも完備。風呂や洗面、キッチンなどは共有で、このほかにも女性社員がくつろげるような共有スペースを備えている。

 アイデアを出したのは建築部の近藤美都子さん(39歳)だ。「やっぱり女の子が増えてくるし…」という思いから、細部まで気を配った。山本さんは「同期の男性社員からうらやましがられている」と話す。

 また、現場でも女性用トイレを設置する際、発注者から補助金が交付されるという仕組みができたことも後押しとなり、女性が現場に出る機会も増えた。彼女たちは「社長や上司がトイレのことや更衣室のことを気にしてくれている。会社全体として女性が増えることを望み、環境整備をしようとしている」と話す。

 女性技術者が増えてくると女性ばかりがクローズアップされがちだが、試行錯誤しているのは男性の上司も同じだ。建築部の深堀こなみさん(24歳)は「男性の上司は、ヘタに話しかけるとセクハラとかパワハラとかの問題になると思っているせいか、気を遣ってもらっている。それが申し訳ないという気持ちがある」という。

 一方で、一二三北路土木部の稲垣沙也加さん(21歳)は、女性だからといって特別扱いされているような感じは受けておらず男性と同じように働いているという。しかし、それでも重いものが持てないなど力仕事には限界があり、男性と同じというわけにはいかない。

 また、興味深い意見として、年齢の若い山本さんは「お父さんが増えたような感じ」と話し、年の離れた男性と働くことに何の違和感もないという。最終的には男女問わず、職場でのコミュニケーションが大切ということが彼女たちとの会話から読み取れた。


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