1992年9月生まれ、年女の谷沢由美さん。前職は陸上自衛隊で、電波の届かない山奥に有線を張るため山中を走り回っていたという。昨年4月に入社した平井測研(本社・帯広)は、思いがけず自慢の体力が生かされる場所だった。
機材を背負って踏み込むのは未開の山々。男性社員と肩を並べて標石を埋めるための地面を掘り、調査のためなら沢でも崖でも同行した。
「細かい作業より、体を動かす方が好き」。精度が求められるデータの扱いに最初は苦戦した。あるときはGPS計測の設定を誤り、間違った場所に杭を打ち込んだことも。次の日現場に戻り、全てのデータを一から取り直したのは苦い思い出だ。
やがて「自分の取ったデータが図面に描かれていくのが楽しい」と達成感を感じるようになった。「自分の目で見て、計算して初めて答えが分かる仕事。計測し終えた後は、データが誤差範囲を超えてしまっていたらとドキドキした」と計測結果に一喜一憂した。
2年目を迎えることし。「現場の座標をどう捉えるか、複雑な地形や法面での正確な押え方をつかみたい」と目標を話す。「男の人にも負けない測量士になりたい」と将来を語る谷沢さんは、入社を機に始めたゴルフが最近の趣味。社内コンペで早くも優勝したその腕前にも磨きをかける。
(2016年1月27日掲載)