途切れたレール 第1回 存続へ本音の議論望む 浦河商工会議所会頭 上田 正則氏

2016年01月28日 11時26分

浦河商工会議所会頭 上田 正則氏

2014年12月に日高線の活用を考えるフォーラムを開いたが、その目的は。

 利用者が減る中で、日高線がいずれ廃止に向かうのではという危機感から企画した。同時に、新幹線開業を控え、新函館北斗駅で降りた人々に日高へ足を運んでもらうよう、地域の機運を高める狙いもあった。

 フォーラムでは、静内の二十間道路をはじめ桜の時期に合わせた観光列車や、豊富な海産物を車内で楽しんでもらうなどいろいろなアイデアが出て、浦河高の生徒も意見を発表してくれた。ここで集まったアイデアをJRに提案しようという、その矢先に高波被害が起きた。

復旧は遅々として進まない。どうみているか。

 昨年1月に被災した箇所に加え、後から後から直すべきところが出てくる。議論ばかりをやっている状況で、それが1年も続くと、徐々に諦めのような雰囲気が広がっていると感じる。

 ただ、今後の進め方が難しいのは事実。仮に復旧工事費の負担のみであれば、一過性のこととして理解されるかもしれない。しかし、存続する限り伴うであろう赤字について、沿線自治体が応分を負担するというのはいかがなものか。非常に悩ましい。

 道内の他のローカル線でも直すべきところが多い。そうした中で、日高線が良い例、悪い例を含めて先例となる可能性がある。慎重に事を運ばなければならない。

道内には廃線の危機にあるローカル線がいくつもある。どう捉えているか。

 民営化されたので、費用対効果を重視する姿勢も理解できるが、公共交通機関としての役割、使命は絶対にあると思う。そのことをJRにはいま一度考えてほしい。

 この地域について限れば、個人的には日高自動車道の静内―浦河間が事業区間に昇格し、完成も見える状況となれば、公共交通機関としての鉄道の役割、使命が終わったと判断されるかもしれないという思いはあるが、いまはまだその段階ではない。

JRと沿線自治体の協議に望むことは。

 例えば、利用率を上げるのなら、JR北海道としての努力を見せてもらい、その上で沿線自治体を交えて利用促進策を考えていくべき。ダイヤを含めて、検討する余地はあると思う。

 各駅停車しかなく、札幌へ行くのに苫小牧で乗り継ぎ、4時間も5時間もかかるというのでは利用しづらいのが現実。難しいことは分かっているが、例えば、南千歳までいける路線であれば、そこからは札幌までの快速列車が走っているし、新千歳空港からも近くて利用が増えるかもしれない。

 沿線地域に一方的に利用促進の考えを求めるのではなく、JRとしてもこうするからもっと利用してもらえないかなどと、本音をぶつけ合う議論を望みたい。

上田 正則(うえだ・まさのり)

浦河町出身、65歳。中央大卒業後、埼玉県庁を経て76年に上田建設工業入社、89年に社長就任。13年から浦河商議所会頭。浦河建設協会会長なども務める。

(2016年1月28日掲載)


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