岩田地崎建設(本社・札幌)は、モンゴルと中央アジアのウズベキスタンで地中熱、バイオマス、雪氷熱の再生可能エネルギーと省エネルギー建築技術を提案し、現地で事業展開が可能かを検証した。
伊藤俊裕環境ソリューション部長は「当社の寒冷地技術が相手国の開発に寄与できるかどうか、現地視察や意見交換を通じて確認してきた」と振り返った。
両国では、自治体やエネルギー政策の行政機関、建設会社、農畜産物団体などを訪問した。特にモンゴルでは、石炭火力発電やゲル地区での石炭暖房による大気汚染が問題となり、一部では太陽光や風力、太陽熱と再生可能エネルギーの利用が進められている。
同社の提案は、抜本的な解決策として建物のエネルギー効率を改善すると同時に、地中熱エネルギーとヒートポンプを組み合わせて温室効果ガスを削減。家畜ふん尿や生ごみなどを原料とするバイオガスプラントを建設し、大気汚染を防ぐ。
モンゴルでは、牛乳生産量を増加させるため、家畜の放牧からつなぎ飼い飼育に転換する動きがある。バイオガスプラントを後押しする好材料だが、景気の低迷にあえぐ同国にとっては初期投資が高く、原料の安定的な確保に課題が残されている。
一方、ウズベキスタンでは地中熱に興味を示す企業が多く、市内中心部では地域熱供給が行われ、住宅への個別暖房が始まっている。家畜ふん尿のバイオガスプラント、建物への再生可能エネルギーや耐震技術の導入にもニーズがあるという。
(2016年2月17日掲載)