旭イノベックス(本社・札幌)は、温水パネルヒーターの売り込みを図るため、モンゴルとウズベキスタンを視察した。省エネルギー化への転換や老朽化対策を進める現状など両国の暖房事情を調べ、事業参入を模索している。
住環機器事業部の吉田賢一営業部課長代理が報告した。同社の温水パネルヒーターは常に一定温度を保つことができるようバルブコントロールシステムが取り付けられている。
両国とも寒さが厳しく、市街地に張り巡らされている温水暖房が各住宅を暖めている。「特に1月のモンゴルは昼間も氷点下30度から上がらず、北海道育ちの身でもこたえた」と現地の感想を話した。
モンゴルでは、火力発電の廃熱を利用し、パールと呼ばれる暖房機器で温水を循環させている。毎年9月15日から翌年5月15日まで自動供給しているが、温度の加減ができない非制御型であるため、機器の品質が悪かったり、劣化し圧力が高くなった場合には破裂の危険性がある。
モンゴル政府は、暖房効率を向上させて省エネルギー化する政策を進めており、同社の製品が「燃費を抑え、環境負荷の低減に貢献できるのでは」(吉田課長代理)と期待を寄せる。
ウズベキスタンは、旧ソ連が構築した温水暖房システムが稼働しているが、非制御型の設備は老朽化が著しい。政府は、工場などには従来のシステムで供給し、それ以外は個別暖房化への切り替えを進めている。
吉田課長代理は「政府が取り組む事業なので、どう関わっていくかが問題。今回意見交換した企業とのコンタクトを継続する」とし、粘り強く進出の道を探っていく方針を示した。
(2016年2月19日掲載)