2施設で倒壊の危険性 釧路市内の建築物耐震診断

2017年10月26日 07時00分

 釧路市は24日、震度6強―7程度の大規模地震が起きたときの建物の安全性を評価する耐震診断結果を公表した。市内で倒壊・崩壊の「危険性が高い」とした建物はなかったが、「危険性がある」とされたのは2施設あり、ボウリング場のパレスボウルと飲食店ビルのオリエンタルプラザだった。市では耐震診断結果の公表対象となる民間建築物所有者に対し、診断費用の負担を軽減する補助制度を設けていたが、今後について「設計や改修の補助制度も検討しながら、所有者と協議し耐震化を促していきたい」と話している。

 2013年11月25日に施行された改正耐震改修促進法に基づき、1981年5月31日以前に建てられた3階建て以上、延べ5000m²超のホテルや旅館、病院、店舗など不特定多数が出入りする大規模建築物と、2階建て以上で延べ1500m²超の幼稚園・保育園、延べ3000m²超の小中学校、延べ5000m²超の老人ホームなどに耐震診断の結果公表を義務付けた。

 市内では学校や商業施設など対象30施設中29施設が耐震診断を実施。震度6強―7程度で倒壊・崩壊の「危険性がある」と診断された2施設は、建築物の構造耐震指標値(Is値)目標値(1・00)を下回り、パレスボウルが0・77、オリエンタルプラザが0・63だった。「危険性が低い」とされたのは27施設で、そのうち25施設で耐震改修済み、2施設がIs値の目標値を超えていた。また、対象建物であるものの、12月に移転改築の着工を予定している釧路中央病院は耐震診断をしていない。

改修時期検討中のパレスボウル_釧路市内の大規模建築物耐震診断結果

耐震改修の時期を検討中のパレスボウル

 パレスボウル(釧路市幸町10丁目1、石田博司社長)が管理・運営するボウリング場のパレスボウル(法人所在地)は72年建設で、SRC造、3階、延べ6400m²の規模。同社では「耐震改修に1億5000万―2億円の概算工事費を見込んでいるが、補強設計や耐震改修時期は検討中で、まだめどは立っていない」という。

 一方、東洋ビル開発(釧路市末広町5丁目13、滝波大亮社長)が管理・運営する飲食店ビルのオリエンタルプラザ(法人所在地)は、67年建設。SRC造、地下1地上8階、延べ9800mの規模で、市内歓楽街で約70軒の飲食店が入居する。18年度に補強設計、19年度に耐震改修を予定。同社では「補強設計は依頼先を決めており、関連会社に施工を頼む予定。営業しながら改修を進める」と話している。

そのほかの掲載記事は北海道建設新聞でご覧いただけます。

・大西病院建替を検討 回生会近く内部協議へ(2面)

・道内9市の大規模建築物の耐震診断結果(5面・箇所付け)

・釧路市公表分「2施設が倒壊の危険性」(9面:道東版)

・帯広市公表分「ふじまるビル来年設計」(9面:道東版)

・苫小牧市公表分「Ⅰ判定は4施設」(11面:日胆・函館・後志版)

・「9校順次建て替え」学校耐震化、21年度末で完了 札幌市教委(12面:さっぽろ圏域版)

 詳しくは2017年10月26日付けの紙面をご覧ください。


関連キーワード: 商業 建築 耐震化

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