老朽化が進む市役所本庁舎の建て替えを計画している岩見沢市は27日、市役所の建設場所を現在地の鳩が丘1丁目に決めた。安全性や工期、利便性、周辺環境などの要素に加え、施工性などを勘案して選定したもの。想定している規模は4階建て、延べ1万m²で、市は今後、2018年度の基本・実施設計、19―20年度の建設、21年度からの供用開始というスケジュールで事業を進める。
27日に開かれた市議会新庁舎建設特別委員会で松野哲市長が表明したもの。
鳩が丘1丁目にある現在の市役所本庁舎は、RC造、地下1地上3階、延べ8534m²で、1965年に完成。14年度に実施した耐震診断で耐震性に問題があることが判明し、費用対効果などの観点から改築を選択した。
改築後の施設の規模は、4階、延べ1万m²を想定。公用車76台、一般134台の計210台分の駐車場の設置も予定している。
市ではこれまで、建設地の選定を進めていた。候補に挙げていたのは、①現在地(鳩が丘1丁目)②中央小跡地(6条西8丁目)③有明中央用地(有明町中央)―の3つで、この案に対し市民にパブリックコメントを実施。すると、市民からは建設地に関し、12の候補地が寄せられた。
そこで、市はことし8月、必要面積や安全性、早期性、経済性、利便性、周辺環境など建設に必要な7つの条件について、市民意見も含めた全候補地で比較検討を実施。ここでの比較検討では、市が示した3つの候補地が適切であると判断された。
市ではその後、市民団体や経済団体などとの意見交換も踏まえ、3つの候補地について、これまでに比較した7つの条件に加え、建設スペースなどを勘案した施工性、騒音や日照など近隣への影響、堆雪スペース―の3つの条件についても比較検討し、項目ごとに点数化して総合得点を算出した。
その結果、現在地が28点、中央小跡地が16点、有明中央用地が21点となり、「現庁舎敷地が最善の建設場所」(松野市長)と決定した。
また、現庁舎は水道庁舎と渡り廊下でつながっているが、本庁舎改築に伴う水道庁舎の取り扱いについては今後検討する。
市では、市役所庁舎建設に21年3月末が期限の合併特例債を使用する考えで、今後は17年度中の基本計画の策定、18年度の基本・実施設計を踏まえ、19―20年度の建設、21年4月の供用開始を目指す。