チバニアン

2017年11月15日 07時00分

 自称梨の妖精「ふなっしー」を知らない人はあまりいないだろう。千葉県船橋市在住のいわゆる「ゆるキャラ」である。市非公認ながら、愛らしい外見からは想像もつかない機敏な動きと軽妙なおしゃべりで人気を博しているのもご存じの通り

 ▼ところで同じ千葉県に、もうすぐまた新たなスターが生まれるようだ。その名は「チバニアン」。いかにもゆるキャラのようだが、さにあらず。地質学上の時代名だという。「チバニアン」は「千葉の時代」を意味するラテン語で、地球のN極とS極が入れ替わる地磁気反転の痕跡を残す千葉県市原市の地層。ここが日本で初めて「国際標準模式地」として地質時代に名を刻む見通しになったのである

 ▼国立極地研究所など日本のチームがことし6月に命名を申請。国際地質科学連合はこのほど作業部会で投票を行い、内定の運びとなったそうだ。競合相手イタリアの「イオニアン」と僅差だったというから、関係者はふなっしーのように跳び上がって喜んだに違いない。もちろん名称は非公式でなく公式である。つまり、いずれ世界中の教科書に「チバニアン」の文字が登場することになるわけだ。更新世の約77万―12万6000年前で、マンモスやネアンデルタール人が大地を歩き回っていた時代らしい

 ▼「千葉日報オンライン」などによると地元は早くも、知名度が上がる、「千葉の時代」が来る、と盛り上がりを見せているのだとか。地質学上の画期的出来事だが、ゆるキャラのように名称はかわいい。子どもらが科学の門を叩く良いきっかけにもなりそうだ。


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